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タクシードライバー<vol.03>*時間停止系

時間を操作できるようになってから、数週間が過ぎた。
あれから、毎日のようにこれまでの人生で溜まりに溜まった欲望を吐き出しつづけている。
乗客、通行人など、僕の下半身アンテナ…すなわちチンポが反応を示す対象にはことごとく手をつけてきた。

また、それと同時に金欲の方も満たすべく、ちょっとずつではあるが集金活動も怠ってはいない。
せっかくの時間停止なのだ。
ダッチワイフで一発抜いた後、近くの通行人などの財布やお店のレジから少しずつ分け前を頂いている。
一人や一軒の店から大きな額を取り上げれば手間はかからないのだが、僕も鬼や悪魔ではない。
分け前を頂いても、被害者が被害と思わない額だけいただく。
手間さえ惜しまなければいいのだ。
でもまぁ、今のところ、日割りにして10万ほどは懐に入れられる。
月にすれば休日を引いても、200万ほどの副収入になる。
年にすれば2400万ほどになるのか。
これではタクシー業と時間停止業!?でどちらが本業かわからないのだが…。
両方あわせれば年収3000万クラスに達するわけで、お気楽タクシードライバーの収入としては法外な高給取りだな。

生活力に事欠かなくなった分、気持ちにもゆとりが生まれてきた。
そうなってくると、欲しくなるのは更なる安定か…。
結婚もそろそろしたいが、そんなものは後々金に任せてなんとかなりそうだ。
今は常に身近に置いておけるオモチャが欲しい。
これまでのターゲットは皆、行きずりの女達で、次また同じタイミングでめぐり合えたり、一発できる可能性も低い。
何しろ、こちらは客を乗せていない限り、彼女達と遭遇しても手を出せないという足枷が付いているのだ。

そこで、いつも客待ちの拠点にしている駅前周辺で継続的にオモチャにする女を捜すことにした。
駅前で働いている女であれば、タクシー乗り場で客を乗せた瞬間に時間停止させれば、ほぼ毎日のように出会うことが出来る。

ターゲットを探すのに時間を止める必要はない。
休憩がてらその辺を歩き回ればいいのだ。
さすがに駅前である。女は山のようにいる。
綺麗系、可愛い系、お姉系、アキバ系、主婦系、学生系…ジャンルにすればかなりのものになる数の女がそこかしこにいる。
まさに大型オモチャショップ内を目を輝かせて歩き回る子どものようである。
その子どもと同じように、僕もこの中から気に入った一人だけを選ぶことにした。

しかし、思い出せば子どもの頃から優柔不断であった。
中々おもちゃも決められなかったものだ。
その度に親からは文句を言われていた。
今もそうだ。
あれも欲しい、これも欲しいが頭の中を駆け巡っている…。
しかし、そんな手当たり次第…が今回のテーマではないのだ。
よし!決めるぞっ!

…その前にちょっと喉が渇いたし、小腹が空いた…。

ふと横を見ると、こじんまりとしているが品の良さそうな喫茶店があった。
長年この駅を拠点にしているが、身の回りのことに対して極めて無機質無関心であった過去の僕は、こんな小さな店など気にも止めなかったのだろう。

窓越しに中を覗いてみて、思わず驚いた。
まさに理想的な女性がカウンターの中で仕事をしているではないか。
カウンターの中に入っているので、上半身しか見えないが、黒いハイネックの薄手セーターの上にメイド調の品の良い白のエプロンを付けている胸元は、まさに母性を感じさせる柔らかそうな膨らみを持っている。
そして、細い首筋から顎のラインが極めて美しい端正な美貌。
色白なだけに、派手過ぎない赤の口紅がとてもよく似合うふっくらした唇。
多分下ろせば背中まで達するであろう髪を、ポニーテールでまとめているヘアスタイルが、その端正な顔立ちと相まって、知的な雰囲気を醸し出している。

一瞬で決めた…この女性だ。
この女性なら、しばらくの間継続的に僕を幸せにしてくれそうだ。
悪いけど、あなたの身体と記憶に残らない時間を僕に提供してね。

そう心に決めた僕は、これから長い付き合いになるであろう彼女の人となりや声を聞いておきたいと思い、探し疲れた身体を癒す為にも店内に入っていった。

店内に入った途端、「いらっしゃいませ」と彼女の声。なんて綺麗な声なんだ。
かすれているわけでも、くぐもっているわけでもない、澄んだクリアーな美声。
思わずうっとりする。

そのままカウンターに座り、とりあえずのコーヒーとチーズケーキをセットで注文した。
カウンター越しに彼女の全身が見えた。
予想通りである。
黒のハイネックセーターの下には、グレーの暖かそうなタイトスカートでその下に黒のタイツを身につけている。
全体が理想的な流線型でまとめられた、まさに美人体型である。

思わずうめきそうになった…。
カウンター内のかなりのハイクラス美人と、カウンター外のブ男。
こんなミスマッチなカップルなど、絶対に成立するはずもない構図である。
彼女も僕のブ男振りにあきれているかのように、全く無関心で注文したコーヒーを煎れている。
ちくしょう、世の中なんでこんなに不公平なんだ…。
僕の心の中では日常的になっている不満の声が上がる。

しかし、その声は数日前から全く重みのない単なる口癖のような心の声に変っていた。
なにせ、どんな美人だろうが身分だろうが、今の僕にはそれを勝手に超えて我が物に出来る力があるのだから…。

そんなことを考えている内に、目の前にコーヒーとチーズケーキが出されてきた。
「どうぞ」
そう言ってこのブ男に対してニッコリ微笑んでくれた温かさに触れ…完全に惚れた。

それから一週間、毎日のようにその店に通った。それも午前と午後の2回もだ。
合計10数回も通えば、いい加減向こうも常連と認めてくれる。
ブ男ではあるが、無害(今のところは)な客に警戒心も解かれてきて、何気ない会話も出来るようになってきたし、毎度同じ注文しかしないので、「今日もいつもの?」と、気軽に声をかけてくれる。
今では、彼女も僕の仕事が個人タクシーであることを知っているので、日に2回通うことにも何も不信感を抱いていない。

こんなに特定の女性に親しみを覚えたのはどれくらい振りだろうか…。
それも今や単なる親しみではない…目の前の獲物を十分に自分の中で熟成させている最中なのだ。
僕はこの一週間、オナニーさえ堪えている。ただの一発も射精していない。
全ては目の前の獲物の体内に捧げる為に…。

日頃の会話の中で、彼女の名前だけ知ることが出来ている。
美香(みか)さんという名前だ。
何気ない会話の中で入手した情報では、美香さんは人妻さんである。
商社勤務の旦那がいるらしく、この店は美香さんの趣味が昂じて開いたそうである。
確かに、店内のそこかしこに英国風のこだわりが見られる。
趣味と実益を両立させてるようである。
年齢はさすがに聞けないが、20代後半から30代前半といったところか。

店内はカウンター5席、テーブル席が2卓と、本当にこじんまりしているので、店員はいない。
一人で寂しくないのかと聞くと、その分お客さんとの会話を楽しんでるそうだ。
社交的な一面も大いに美香さんの華やかさに貢献している。

もっと突っ込んだ個人情報も欲しいところだが、それはいずれ財布の中やら、手帳、携帯などを見させてもらえば済むことだ。
焦りは禁物だけど、そろそろ僕の身体の方も限界に近い…。
もういい加減頃合か。
では、今日の午後いよいよ決行するか。
午後一の客が乗った時点で美香さんは僕と一体になる運命なんだよ。
そしてその体内に僕の分身をたくさん宿すことになるんだよ。よろしくね…。
目の前でにこやかに今さっき出て行った客の後片付けをしている美香さんに、心の中でそう語りかけながら、僕もその店を後にした…。

(vol.04に続く)

テーマ : 官能小説 - ジャンル : アダルト