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マイルーム(2)*結界・催眠系

その怪しげな老僧の存在に気付いたのは、ある夜中のことだった。
深夜僕が最近日課のようになっている、綾子さんをオカズにしてのオナニーにふけっているときに、どこからか念仏のような声が聞こえてきた。
念仏と聞き取るまでにある程度の時間を要するほどの微かな声だ。

不気味さを感じたので、窓を開けて周囲を見回すと、深夜の暗がりの中で塀の外側に立ち、まるで僕の部屋に向かって念仏を唱えているような僧侶がいた。
その僧は、僕と一瞬目を合わせた後、こちらに向かって一礼して静かに去っていった。
不信には思いながらも、その日はそのまま再びオナニーの続きに入った。

そういえば、最近やたらと性欲が増してきたように思う。
学校にいても部屋にいても、オナニーがしたくてたまらないのだ。
別にオナニーがたまらなく好きというわけではなく、とにかく次から次へと湧き上がってくる性欲を処理する方法が、今はオナニーしかないのだから仕方ない。
その性欲は日に日に増してきていた。

また数日が過ぎた夕暮れ時に、僕は再びあの念仏を聞くことになった。
その日はいつものように綾子さんが気を利かせてくれて買い物に出てくれていたので、いつものように綾子さんのショーツを部屋に持ち込んでオナニーに耽っていた。
そんな時、あの念仏が聞こえてきたのだ。

そうなるといい加減気になる。
僕はせっかくの楽しみに水を差された不快な気分で外に出て、そのムカツク坊主に一言問い質してやろうと考えていた。

その坊主はやはりこの前と同じ場所にいた。僕の部屋沿いの塀の外側だ。
そして、やはりこの前と同じように僕の部屋に向かってブツブツと念仏を唱えている。

僕はかなりトゲのある口調で、その坊主に向かってここで何をしているのか問い質した。
すると、その坊主はゆっくりとこちらに顔を向け、なにやら話をし始めた。
それにしてもこの前は暗がりで顔まで見えなかったが、かなり歳をとっている坊主だ。

「お主はこの小屋の住人じゃな」
「そうだけど、ここで何でお経なんて唱えているんですか?」
「ここに住んでいるお主には、あまり聞かせたくないことじゃが…まぁ、このままワシがここで念仏を唱えているのも不気味じゃろうから、話して進ぜよう」
「まぁ、この話をお主がどこまで信じるか…じゃが」

そう言われると、余計に気になるってもんだ。
僕はそんなこと気にしなくていいから、早く教えてくれるよう催促した。
変な霊でも憑りついているのなら大問題だ。

「実はな、この辺一体はこの住宅地になる前までは、代々ワシの寺が見守ってきた土地なのじゃ…」
「じゃが、土地の権利を持っているわけではないので、最近になってこんなに拓けてしもうたが…」
「見守ってきたのにはそれなりに訳があっての…」
「まだお侍の時代じゃ、それも戦国の少し前、応仁の乱の前ということになろうかの…」
「この辺一体は、さる領主によって治められていたのじゃ…中々いい治世を行っていたと聞く…」
「しかし、その領主には裏の顔があっての…」
「村の若い娘を腹心の部下に密かにさらわせてきては、淫欲の捌け口にしていたそうじゃ…」
「しかし、秘たる悪事もそう長くは続くもんじゃなかろうて…」
「そのことが露見した領主は、義を重んじる家来達によって成敗されたそうじゃ…」
「しかし、不思議にもその後、その家を継ぐ領主がことごとく同じような淫行にはしってしまったそうで、ある日高名な祈祷師にことの解決をお願いしての…」
「その祈祷師は、このあたり一体の瘴気が人を狂わすことを付きとめたそうじゃ…」
「そしてその瘴気が最も強いところが、その領主の館での…」
「大体察しがつくともうが…そうじゃ…今お主の小屋が建っているところじゃ…」

驚いている僕に向かって、さらにその老僧は話を続けた。

「住宅が立ち並ぶようになっても、何事もなかったのじゃが…」
「最近になって、このワシの寺にて代々供養してきたその領主家の墓石に大きな亀裂が入っての…」
「その頃からワシにも何やらただならぬ瘴気のようなものが感じられるようになってきたので、こうしてこの場で念仏を唱え、その瘴気を沈めようとしていたのじゃ…」
「そうじゃ、お主、何か最近変ったことは無いかの?」

突然そう聞かれても、答えようが無い…。
思い直せば最近やたらと性欲が増してきたことが気になっていたが、毎日オナニーが止められません…などと、初対面のこの坊さんに言えるはずも無い。
なので、僕はその時は「別に何もありません」と答えてしまった。
しかし…僕の気付かないところで、着実にその瘴気の影響が出始めていたのだが、この時点での僕には、まだそれに気付くことはなかった。

それから数日間その坊さんの念仏が続いたが、ある日その坊さんが勝手に庭先に入り込み、僕の部屋を訪ねてきた。
今では、部屋にいるときはオナニーが止められなくなっている僕は、慌てて身支度を整え、坊さんを出迎えた。

「突然すまんの…」
「色々と迷惑をかけたようじゃが…どうやらワシが感じる瘴気も納まったようじゃ」
「お主の方にも何の異常もないかの?」

前回同様、僕は何もないと答えた。…一抹の不安めいたものは感じていたが…。

「そうかそうか、それでは今日限りでワシの念仏も終いといたそう」
「ただしもし何かあったら、必ずワシの寺にくるのじゃぞ」

そう言い残して、坊さんは自分の寺へと帰っていった。
その日の深夜…。
僕はこの日、もう何回果てただろう…。
際限なく襲ってくる性的衝動…それを抑えるための自慰行為…10回、20回…もう数えるのも面倒なくらいだ…。
今も慰めずにはいられない…一体どうしたというのだ…。
そんな焦りと不安と疑念に苛まれながらの快感がいよいよ頂点に達し、すでにこの日数十回目となる精を放った瞬間…。

「!!」

その精とともに、霧のようなものがチンポの先から湧き出してきて、部屋の屋根を覆った。
そして、その中に一人の武将の姿をした男の姿が浮かび上がってきた。
僕は驚きと恐怖で身動きもとれないままでいる。
すると、その霧の中の男が僕に語りかけてきた。

「フフフ…あの老いぼれ坊主め、ようやく消えたか」
「あんな老いぼれに押し込められる俺ではないわ」
「それも俺の屋敷内で俺を捕らえようなどと…笑止…」

間違いないと思った…こいつがあの坊主が言っていた代々の淫蕩領主達のうちの一人だ!

「お前は我が一族ではないが、お前の淫欲が俺たちを目覚めさせてくれた。礼を言うぞ」
「俺たちは既にこの世のものではない…故に大好きな女子の身体を直に感じることが出来ぬ」
「だがお前を介してなら、あの快楽を再び感ずることができる」
「だからといって、お前の身体を我がものにしようとはせぬ。安心せい」
「その代わり、お前にはある力を授けてやろう」
「その力を使って、お前は女を抱け」
「そうすれば俺たちもその快楽を共有できる、どうじゃ?」

僕はその男に魅入られているかのように、力なく頷くしかなかった。

「よしよし…これから先、俺の屋敷の中でも淫欲の力を最大に発揮できる寝室があった場所…すなわちこの小屋に俺の念を込めた結界を張ってやろう」
「この結界内に入った者は、ことごとくお前のいいなりになるであろう」
「そして、その力は結界外の世界にも反映されることになる」
「例えるなら…ある女を妾とすると決めたのならば、その後結界外の者達もそれを認めることになるであろうし、その女が口にする全ての言葉も同様に反映されることとなる…」
「どうじゃ、すごいであろう」

狐につままれたような顔でコクンと頷いた。
徐々に落ち着きを取り戻してきていた僕は、その男の提案に強烈に興味を示していた。

「ただし、女を抱く時は必ずこの小屋で抱け」
「そうせぬと意味がないのでな。よいな?」

そんなこと、いくらでも守ってやる。
僕の頭の中では既に綾子さんを抱くことしか考えていないのだから…。
その後、その男は霧が晴れていくと共に消え失せた。
と同時に、あれほど取りとめもなかった性欲が止んだ。

あれは本当のことだったのだろうか…。
未だに半信半疑ではあるが、今は問い質す相手も方法もない。
夜が明けてから考えようと思ったとたん、ベッドに倒れ込むようにて懇々と眠った。

(3)に続く…

テーマ : 官能小説 - ジャンル : アダルト

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