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妄想商会(12)~黒水晶〈第3話〉~*特殊アイテム

新装開店前の喫茶店の店内で、店のマスターと女性従業員がセックスに励んでいる。
それも女性従業員の方は、喫茶店の従業員とは思えないような真っ白のレオタード姿で、しかもそのレオタードはその従業員の豊満な乳房を剥き出しにする作りになっているばかりか、股間まで大きく割られており、彼女のまるでアイドルのような顔立ちとは裏腹な、黒々とした剛毛デルタ地帯をも剥き出しにしているのだ。
そればかりではない…彼女の腹部には白のガムテープに「フェ○チーフ ミスち○ぽ 杉崎玲奈」「今日は臭いオ○ンコです」などと書かれた、うら若き乙女には屈辱以外の何物でもない張り紙までされているのだ。

しかし彼女は決してそのマスターにより強引に犯されているわけでもない。かといって、その彼と恋愛関係だとか割り切りの肉体関係にあるわけでもない。彼女の認識の中では、これもれっきとした“喫茶店のお仕事”なのである。
妄想商会の闇商人シルクが用意した魔界の宝石“黒水晶”の結界力により、この店内では全てマスターである板垣聡史の思いのままに“常識”が塗り替えられてしまう。彼が“これが常識”と認めたことは、その店の中に存在する全ての人間にごく自然に受け入れられ、そしてその者達の都合がいいように解釈される。それは、この店の中を外から眺めている外部の人間にも有効なのだ。だからこうして昼間から店内でセックスをしていても、誰も好奇の目で見たり、不審に思ったりはしないのだ。何しろ、これが喫茶店の風景として、ごく当たり前のことなのだから…。

「アッ、アッ…アゥッ…アッ…アンッ…」
「おぉぉぉ…最高だ…最高だよ、玲奈…すごく仕事がはかどるよ…」
「アッ…アンッ!…お、お役に立てて…アァァ…う、嬉しい…ですぅ…ハゥッ!…」
「この締まり具合が喫茶店のサービスにはとても大事なんだ…玲奈も分かってるよな?」
「アゥゥ…は、はいぃぃ…わかっ…わかって…アッ…わかってます…」
なんともチンプンカンプンな会話である。決してセックスに励んでいる男女が交わす会話らしくないが、それもそのはず、しつこいようであるが…彼らは仕事をしているのだ。

玲奈は今やカウンターの上に顔を押し付けて、一心不乱で喘いでいる。その後ろからまさに串刺し状態でこれまた一心不乱に突きまくる聡史。突きまくられている玲奈にしてみれば、今は二人で本当に一生懸命に且つマジメに仕事をこなしているという認識なのだ。
「はぁぁぁっ…玲奈…そろそろいきそうだ…今日は…生理の何日前?」
「アッ!アァァッ…直前…ですから…アァッ!…そのまま…なか…中で…アッ!…大丈夫です…」
「おお!最高だ…じゃ、じゃあ…このまま…いくよ…うおぉぉぉっ!」

ドピュッ!ドピュッ!ドピュッ!
玲奈の体内に共同作業の賜物である聡史の精が、大量に放出されていく。
「おぉぉぉ…玲奈…最高の仕事振りだよ…やっぱり残ってもらって正解だったよ…」
「ァハァァ…は、はい…私も…残れて幸せです…」
「この仕事は、この店にとってはとても大切な仕事だから、これからも頻繁に頼むけど、受けてくれるね?」
「…もちろんです…」
「ありがとう…そうだ!従業員の女の子たちにはもう一枚張り紙を貼ってもらったほうがいいな…“私は生理○日前です”ってね。そうしておけば間違いないでしょ」
「そうですね♪そうしてもらえると、みんな安心して仕事が出来ます♪」
「うんうん。今日は色々モニターになってもらえてよかったよ」

聡史は使い終わった玲奈の秘所をウェットティシューで拭いながら、
「今日の準備はここまでにしておこう。明日はさっそく従業員希望の面接が入っているから、立ち会ってもらえるかな?チーフとしての意見も聞きたいしね」
「はいっ♪わかりましたぁ♪」
「オッケー、じゃあ明日はお昼の1時に駅前の交番で待ち合わせしよう。必要な備品とかを買い揃えたいから付き合ってね。そうそう、その制服は明日も着てもらうから置いていっていいよ」
「はーい♪」

玲奈はいい仕事をしたというような充足感一杯の様子でその日の業務を終え、帰っていった。

翌日…。
待ち合わせ通りに、玲奈は駅前の交番に現れた。
鮮やかな緑のTシャツにジーパン姿のラフなファッションではあるが、その方がかえって素材の良さが引き立つのか、あきらかに周りの女性たちよりも際立って可愛く見える。まぁ、昨日あれだけ濃密な時間を過ごした間柄だけに、多少の特別視の感覚も入り混じっているのであろうが…。
「マスター、お待たせしましたぁ♪」
「オッス。面接は2時過ぎからだから、そこの雑貨屋で買い物していこう」
「はーい♪」
「ところで生理は来た?」
「えっ!?ヤダッ!マスターったら、変なこと聞かないでくださいよ!」
「おっと、ゴメンゴメン…。いや、昨日は店内であっさりと生理直前って教えてくれてたからさ」
「それは仕事だからですぅ!」
「そっかぁ、じゃあ昨日みたいに、今日は朝からまだ身体も洗ってないのかな?自分で臭いって言ってたし」
「もう!マスター、怒りますよ!変な質問ばかり!お店の中と外の区別くらいつけてくださいね!」
「そっかぁ、いやーゴメン…(さすがに結界外ではこんな質問でも怒るってわけね。しかし…玲奈こそどんな区別つけてるんだろ。外ではしっかりもののお嬢様…店内では変態チーフってことか…まぁ、普段もだらしない女よりは、そのギャップの方がこっちも楽しめるってものだなぁ…)」
そのギャップに面白さを感じた聡史は、さらに質問を重ねようと、自分の股間を指差し、
「でもさぁ、玲奈は俺のここももう見てるし触ったりもしてるでしょ。それって男を意識したりしない?」
「アハッ♪ご心配なく~。だってあれはマスターのお手伝いですからね♪男女関係のはずないじゃないですかぁ♪やっぱり今日のマスター、なんか変ですよぉ」
「(なるほど…いい解釈だねぇ。ということは、店内ではお仕事の名のもとにはなんでもアリね!玲奈ちゃん!)」

そんな調子で、二人は事務用品やシンク周り小物などの買い物を済ませ、同じショッピングモール内の若者向けのブティックを通りかかった時、ショウウィンドウに飾られているかなり丈の短いマイクロミニのスカートが聡史の目に止まった。
「玲奈、こんなミニスカートを制服にしたらどう思う?」
「マスター、もう!今日は何を考えてるんですかぁ?こんな格好させられるくらいなら、そんなお店でなんか働きません!もう…あんなにセンスのいいお店に合うはずないじゃないですか~」
「ハハハ…冗談だよ。俺のスケベ心がそう言わせただけだってば。じゃあさ、昨日の制服はホントに気に入ってくれてるわけ?」
「もちろん♪あれはいいですよぉ。すっごいセンスいいし、可愛いし♪みんな羨ましがるんじゃないかなぁ…」
「ずいぶんな気に入りようだね。今日来る面接の子達も気に入ってくれるかなぁ」
「絶対ですよ♪私が補償します♪」
「(フフフ…玲奈、自分で何言ってるか分かってるかなぁ…このマイクロミニの方が、どれだけ普通かってこと。あっちはオッパイもオ○ンコもアナルも…それに顔に似合わないジャングルも全て晒す制服なのになぁ…)」

結界外で玲奈の感覚のギャップを堪能した後、買い物を一通り終えた二人はお店に到着した。もうじき面接希望の女性達がやってくる時刻である。
「玲奈、ご苦労様。じゃあ、もうじき面接の子達が来るだろうから、早く制服に着替えちゃってよ」
「はーい♪」
玲奈は昨日と同様に、その場で着替えを始めた。
「名札は、やっぱり毎回このガムテープに自分で書いて貼ってもらうことにするからね。“フェ○チーフ ミスち○ぽ 杉崎玲奈”って自分で書くんだよ。それと今日の股間がまた汚れてたら“今日は臭いオ○ンコです”ね。そしてもう一つ、“私は生理予定○日前です”の3種ね」
「了解しましたぁ♪」
そう言って、自らその恥ずかしい肩書きと個人情報を書いて、腹部の白いレオタード地に貼り付けた。女の子の可愛らしい字体で、恥ずかしい文字を書く…こんなことは、彼女にはなんてことのない作業なのだ。その腹部には自分の役職と昨日同様“今日は臭いオ○ンコです”そして“私は生理予定1日前です”としっかりと書かれていた。
「やっぱり自分で書いたほうが、俺の字なんかより可愛いね。後で面接の子達にもお手本として見てもらおうね」
「そうですね♪」

それから程なく、面接希望の女性達が一人ずつ来始めた。
聡史としては、新規採用はとりあえず2名で、玲奈を含め3人の女性スタッフでチームを組んでいきたいと思っていた。本日の面接希望は4名。しかし、ことごとく聡史の目に適った女性は現れず、遂に最後の一人を待つのみとなった。こうなったのも、採用条件の中に時間的要素や社会人としての人間形成度などの基本条件の他に、聡史個人の容姿面での嗜好が入ってしまうので、必然的に採用基準ラインが厳しくなってしまうからなのだが…。
果たして…今日はダメかと思っていたところに、本日最後の面接希望者が到着した。そして、彼女を見た聡史の目が妖しく光ることとなる…。

「はじめまして。澤野志穂と申します」
志穂と名乗るこの女性は、上品にセットされたショートヘアが良く似合う美人で、プロポーションも一見スラリとしているが、胸や腰周りには男を惑わせるのに十分な肉付きが感じられる。履歴書を見ると年齢30歳、既婚、子ども無しとある。学歴や職歴も申し分なく、○○音大卒業後、某有名音楽教室にて講師を務めていたようである。その経歴にふさわしく、白のレースで飾られたブラウスに黒のタイトスカートというエレガントなファッションからも上品さが醸し出されているし、何より椅子に座る動作や座った後の脚の揃え方などが、その育ちの良さを十分に証明していた。

「あの…澤野さんはずっと音楽関係のお仕事をされていたんですよね?なぜ今度は喫茶店なんかに?」
「はい、私は履歴書にもある通り、2年前の結婚を期に講師業を離れました。主人の仕事柄、転勤が多かったのもその理由の一つなのですが…。最近主人の仕事も部署変えにより転勤も落ち着きましたので、何か心地の良い場所での仕事を探していたんです。…子どももいませんし、専業主婦をやっていても退屈ですからね。…本当は講師業を再開しようかとも考えたのですが、実は以前から空間デザイナーとしての板垣先生のお名前は存じ上げていたんです。それで、先生のセンスを活かしたお店が近くにあることを知って、その上求人募集もしていたので、いいタイミングかな…と思いまして応募しました」
「そうでしたか。ここにいるチーフスタッフの玲奈さんもそうなんですが、芸術的センスのある方に褒められるのが、何より嬉しいですね。それで、このお店は澤野さんのお眼鏡に適いましたか?」
「ええ、とっても。こんな素敵なお店で心地の良い音楽を聞きながら、おいしいコーヒーをお客様にお出し出来たらとても素敵な時間の使い方が出来ると思います」
志穂の答えは、その一つ一つ全てに品が感じられた。もうこの時点で採用決定だと聡史は心の内で決めていた。

「ありがとうございます。私も澤野さんのような品のある方にスタッフになってもらえると、この店の品格も上がりとても嬉しいことだと思っています。私の中ではもう採用決定と判断しているのですが、時間的な都合とかで、条件は合いますか?」
それから少しの間、労働時間や報酬面などの基本条件の確認がなされ、全てにおいて両者の見解が一致した。
「いやー、嬉しいですね!早速今日からでも研修に入っていただきたいのですが、お時間はありますか?」
「はい、先生の方さえよろしければ、私は大丈夫です」
「じゃあ、決まりですね。これからチームの一員として、よろしくお願いしますね!…あとそれから、“先生”っていうのはここでは無しにしましょう。“マスター”と呼んでくださいね」
「はい、マスター…ですね。かしこまりました」

「さて、早速ですが、玲奈…ちょっと立ってくれる?」
「はーい♪…志穂さん、年下になりますけどチーフをやらせていただいている杉崎玲奈です。よろしくお願いします♪」
「玲奈さん…ですね。こちらこそよろしくお願いします」
ここまでを傍から聞いていると、何気ない初対面の挨拶なのだが、立ってくれと言われて立ち上がった彼女の出で立ちを見たら、普通の女性は面食らうか悲鳴を上げるはずである。何しろご承知のとおり、彼女の着ているものは例の変態的な制服なのだ。しかし、それを見た志穂は全く驚いた様子など見せず、むしろ玲奈の挨拶に自然に微笑み返しているのだ。
「澤野さん…いや、これからは玲奈と同じく下のお名前で“志穂さん”と呼びましょう。志穂さん、ご覧の通り、これが当店の制服です。志穂さんにも明日からこれを着ていただきますが、いかがですか?」
「ええ、とっても品があって可愛らしくて、このお店にピッタリだと思います。むしろ三十路の私に着こなせるかどうか…そっちの方が心配です」
「そんなことないですよぉ♪志穂さんのプロポーション抜群の身体には私の方が負けちゃいますから♪」
と、すかさず玲奈が援護してくれた。それにしても、対象によって色々解釈が変るものだと、聡史は感心していた。
玲奈は“可愛くて女の子らしい”と表現し、志穂は“品のある可愛らしさ”と表現している。彼女たちの中でそれぞれ自分が満足する答えを、その誤認作用の中で導き出しているに違いなかった。

「そっかぁ、じゃあ志穂さんにはもう一つの制服の方が似合うかなぁ。あっちの方が少し大人っぽいかもしれませんね。…玲奈、昨日試着したもう一つの制服持ってきてくれる?」
「あ、あれですね、わかりましたぁ♪」
程なくして、もう一つの制服を取りに出た玲奈が戻ってきた。彼女の手には、制服とは思えないとても小さな布切れが握られていた。昨日最初に彼女が穿いた、白のスケスケのパンティと首に巻くリボンの2点だけの制服である。
「これですけど、こっちの方が大人っぽくないですか?」
「あ、こっちの方が私にはいいですね。玲奈さんが着ているのは、やっぱり私には若すぎるかも…」
「(どっちもどっちでしょう…志穂さん。むしろこっちの方が裸同然なんですけどねぇ…)」
今の志穂には、このパンティとリボンの2点セットの制服が、とてもシックなセンスのいい制服に見えているらしい。それは聡史が“こっちの方が大人っぽい”という表現をしたので、そのイメージが彼女の脳内で出来上がっているのだ。
「じゃあ、これでいいですね。うちはこの2種類の制服限定でいきますので、志穂さんはこっち、玲奈はその制服で…でいいですね」
「はい。わかりました」
「はーい♪」
「それと、二人とも聞いてほしいけど、着替えは店内でっていうことにしようと思ってたんだけど、混雑時とかはやはりお客様の邪魔になってしまうかもしれないから、この俺のオフィスで着替えてもらおうと思うんだ。どうかな」
「ええ、私は構いません。お客様の迷惑になるよりは、こちらの方がいいと思います」
「うん。私もこっちの方が落ち着いて着替えられそうで、いいと思いますよ♪」
「じゃあ、そうしよう。でもここは俺のオフィスだから、当然ここで俺が仕事をしていても、仕事の邪魔にならないように着替えること。いいね?」
「はい。もちろんです」
「はーい♪」
「じゃあ、志穂さんには早速制服の試着と、従業員としての心構えの確認や、食品を扱うので健康と衛生面の検査をしなければならないので、ここで着替えてください。玲奈はお店の方でさっき勝ってきた物のセットや、掃除を頼むね」
「はーい♪」
こうして玲奈が退室し、聡史と志穂の二人だけが残った。

「では早速、着替えちゃってくださいね。私はここで制服が合うかどうか見てますから、お構いなく」
「わかりました。では、失礼します」
そう言って、志穂は何の疑いも持たずに黒のタイトスカートから白のブラウスなどを脱いでいった。上下揃いの紺色地ので上品な刺繍入りのブラ&パンティ姿になっても、全く自然な振る舞いである。幼少期は別として、30歳のこれまでに、その日あった初対面の男性の前で肉体関係の目的も持たず、全く自然な振る舞いで自らの着替えシーンを披露する…などといったシチュエーションは無かったであろうに、今やブラも外し、30歳の熟れきった乳房を顕わにしたまま、こちらにオシリを向けるようにしてパンティまで脱いでしまった。
触り心地の良さそうなまだ十分な弾力を残しているオシリの割れ目の最下部でチラホラと見え隠れする志穂の秘所は、後ろから見ても程よい柔らかそうな陰毛で覆われているようであった。

志穂はそのまま白のスケスケパンティを穿き、首に真っ赤なリボンを巻きつけて着替えを完了させた。
「これでいいでしょうか」
「うん。すごく似合ってると思いますよ。ちょっと前を向いてください」
制服を見せるのだからと、何の恥じらいも持たずに志穂は正面を向いたが、実はほとんど全裸同然の姿であったと知ったら、どんな反応を示すであろうか…。
玲奈の巨乳から比べれば一回り小さいが、ボリュームとしては十分な乳房は、それを覆い隠すものなど皆無の状態で剥き出しになっているし、パンティの方も肌の色が分かるくらいにスケスケなので、品の良さそうな陰毛の生え具合も一目瞭然である。
「志穂さんはどう思います?」
「はい。すごく着易くて動きやすいですし、なによりこのシックなデザインが気に入りました」
着易くて動きやすいのは当然であろう。何しろパンティしか穿いていないのだから。それにシックなデザインとは程遠い代物のはずなのだが、彼女はこれが大人の女性にピッタリなシックなデザインだと思い込んでいる。

「気に入ってもらえて嬉しいですね。では、そこに座ってください」
聡史は自分のデスクの前に置いてある来訪者用の椅子を指差した。
「それで、志穂さんは身のこなしがすごく洗練されていて美しいのですが、この椅子に座る時は、両端の肘掛に両脚を乗せて、大きく股を開く姿勢で座ることがルールです。お店の規則ですから、ご理解いただけますか?」
「あ、はい、もちろん。お店によって色々と決まりが違いますもんね。これでよろしいですか?」
そう言って、志穂は両肘掛に脚を乗せ、大きく股を開いた姿勢で座り直した。彼女の穿いているパンティは股間のクロッチ部も二重構造にはなっておらず、全てスケスケ生地なので、そんな格好をすれば大事な秘所が曝け出されてしまうこととなる。
玲奈の秘所は全て剛毛ジャングルで覆われていたが、志穂のそこは程よい細毛で縁取られ、さほど変色していない薄茶色の二つの丘がしっかりと確認できた。
「ええ、そうです。これからはそのようにお願いしますね。ではそのままこれを声を出して読み上げてもらえますか?このお店の基本5ヶ条です」
志穂はその大股を開いた格好のまま、渡された紙を顔の前に掲げ、
「1…いらっしゃいませ、ありがとうございました、の声は明るく大きく」
「2…お客様のオーダーは、よく聞きかならず復唱確認」
「3…整理整頓と清掃はいつも率先してやること」
「4…私たちの身体はマスターの所有物。いつでもどこでもお触りもOK、犯すもOK、安全日は中出しOK」
「5…マスターのオチ○チンは常にキレイにフェ○チオで舐め上げておくこと。特にマスターのトイレ後には率先して行うこと!出てくる精液は心を込めて飲み下すこと」
玲奈ほど明るく大きな声ではないが、よく通る澄んだ声でしっかりと読み上げた。やはり玲奈同様に、こんな異常な内容の文面に対しても、全く疑いの様子は見られず、スラスラと読み上げてくれた。上品な若奥様が、淫語をスラスラと読み上げてくれる様子に聡史の淫欲は十分に刺激され、机の下の一物は既に硬く大きく張り詰めていた。

(黒水晶<第4話>に続く…。)

テーマ : 官能小説 - ジャンル : アダルト

妄想商会(11)~黒水晶〈第2話〉~*特殊アイテム

改装後の最初の仕事は、まず従業員探しと教育である。
改装前に働いてもらっていた二名の女性のうち、一人だけを残してもう一人は辞めていただいた。
一人だけを残した理由は二つある。
一つは、やはり仕事の内容やリズムを覚えているスタッフがいた方が、何事も安心でやりやすいこと。これは商売をしていく上では当たり前である。
もう一つは、個人的趣味で気に入っていた女性だからである。間もなく彼女が改装後のお店に、開店準備…ということでやってくる時間だ。

程なくして…。
カラ~ン…ドアのベルが鳴り、その彼女が入ってきた。
「あ、マスター、お久しぶりです♪」
明るい笑顔で登場した女性の名は杉崎玲奈(すぎさき れいな)。23歳のフリーターである。
セミロングの黒髪がよく似合うアイドルっぽい顔立ちで、華奢なボディラインには不似合いなほど立派な乳房の持ち主である。弁護士の父と女流画家の母を持つ一人娘で、言わばお嬢様…である。
お嬢様育ちだけに、社会経験程度の感覚でフリーターをしながら、母親に習ってデザイナー志望という、同世代のワーキングプア的立場の若者達からは羨ましがられるような環境で生活をしている。

「おお、玲奈~、久しぶり!2ヶ月間の間、元気にしてたか?」
「はい♪お陰で絵の練習がいっぱいできたんですよぉ~♪」
「ハハハ…相変わらず優雅なフリーター生活だなぁ、この不景気な世の中なのに」
「マスターだって、不景気の最中、こんな大掛かりな改装なんて…すごいじゃないですかぁ」
「ハハ、まぁ…ね、デザイナーの方の収入もあるからねぇ、でも大変だったんだぞ。で、どう?お店の様子は」
「私、マスターのデザイナーとしてのセンスに憧れてこのお店で働かせてもらっていたんですけどぉ…今度のデザインもすごくいいですねっ♪こんな環境で仕事ができるのは嬉しいですよぉ」
「サンキュー。美術センスのある玲奈に褒めてもらえると嬉しいよ。…さてと、早速だけど…新しい制服を試着してもらおうかな。えっと、これね」
そう言って聡史がカウンターの上に置いたのは、特注で作らせたほとんど地肌が見えるくらいスケスケの白地のパンティで、両サイドには大き目の真っ赤なリボンが付いており、また股間のクロッチ部の当て布もないので、全てが透けてしまう代物である。それに膝上までの白いタイツに、真っ赤なリボンが一つ。このリボンは首に巻くためのものである。この3点だけが、ごく当たり前のように玲奈の前に置かれた。
このとき、さすがに聡史は鼓動の高鳴りを抑えきれなかった。当然であろう、こんなことは冗談でもセクハラとして訴えられる可能性があるようなことなのだ。果たして…。

「うわぁ!可愛い♪」
玲奈は目を輝かせてそれらを手にした。彼女の目には、その男を喜ばせるためだけに用意されたようなエロチックな衣装が、さぞや可愛らしい衣装に見えているらしかった。
「もう着てもいいんですか?」
「あ、ああ、早速着てみてくれ…(これはすごい効果だ…)」
ご察しの通り、この店には既に例の黒水晶が全ての角に備え付けてある。故にこの中では、聡史の価値観が従業員、お客様に関わらず全て最高のサービスやホスピタリティとしてまかり通ることとなる。
「あ、玲奈、実は今回スペース的な都合で、従業員用の更衣室は用意していないんだよ。だから、毎日そこで着替えてくれ」
「あ、そうなんですかぁ。わかりましたぁ♪」
普通なら、こんなことはまかり通るはずがない。しかしここはこれが当たり前。
「それからな、脱いだパンツだけは、あそこのケースの中にディスプレイしてくれ。玲奈のセンスのいいパンツを是非お客様に披露したくてね。ナイスアイデアだろ?」
そう言って聡史が指差したのは、カウンター脇の壁に貼り付けてあるクリアケースで、下着売り場においてあるような腰周りだけのマネキンが置いてあり、ケースの上部には“今日の玲奈の使用済みパンティ”というプレートまで付いている。玲奈はこれから脱いだパンティを毎回出勤のたびに、このマネキンに穿かせて、展示することになるのだ。
「わぁ♪すごいアイデアですね~。嬉しいなぁ…なんか特別扱いみたいで…」
「そりゃそうだよ。これからはチーフ的存在になってもらわないとね!」

「じゃあ、早速そこで着替えちゃってよ。俺はここでその制服がこの店に合うか見させてもらうからさ」
「は~い♪」
言うなり、玲奈はかなり大胆に衣服を脱ぎ始めた。
「(うわ…マジですごいわ…これは…)」
これまで何度となく、この玲奈の着替えシーンの盗撮を試みたが、こればかりはどうもうまくいかなかったのだ。それが今は盗撮などというリスクもなければ、固定式カメラという枠の制限もない。生きた動画をそれも堂々と見つめ続けられるのだ。
気付けば、玲奈は既にブラとパンティだけの姿になっていた。その華奢な身体には不似合いなほどの大きなカップのブラを外すと、ブルンッと重く且つ柔らかい音がしてきそうなほど立派な乳房が現れた。
「やっぱり大きいね~、玲奈のオッパイ」
「ハハッ♪ヤダ~、マスターったらぁ♪」
いくら仲がよい店主と従業員であっても、改装前まではここまで言える仲ではなかったはず。全ての物事が自分の思惑通りになる世界を遂に手に入れた喜びを、最後の一枚の布切れであるパンティを下ろしている玲奈を見つめながら実感していた。

遂に全裸となった玲奈を見て、聡史の目は彼女の下半身前面のデルタ地帯に釘付けになった。そこには、アイドル的な顔や華奢な身体からは想像も付かないほどの密林が広がっていたのだ。
「(なんていやらしい身体なんだ…)」
もう1年も前から勤務している玲奈の排泄シーンは、何回も見てきた。しかしカメラの設置加減の関係で、
骨盤底周囲しか写らなかったので、デルタ地帯の全体像を拝むのはこれが初めてなのだ。その密林に感動を覚えた聡史は、彼女のユニフォーム案に対する考えが変り、
「玲奈、やっぱり君の身体には、こっちのユニフォームの方がいいと思うんだけどどうかな?」
そう言って彼が取り出したのは、競泳水着タイプの真っ白な薄手のレオタードであった。バックの腰の辺りには大きな赤いリボンがあしらわれている。
ここまでであれば何て事のない普通のレオタードなのだが、このレオタードは何と股割れ構造になっている。それもフロントデルタ地帯がしっかりと露呈できるように、その部分は円形でよれないように縁取りまでされている。また、両乳房の部分にも小さな穴が空いていた。小さく…と書いたが、実は広げると何倍かの穴になるのだが、縁にゴムが入っておりすぼまっているので、着ていない時は小さな穴に見えるのだ。
これを着ればどうなるのか…。ご想像の通りだろう。
後ろから見ると、オシリの下半分までの切り込みが入った股割れレオタードであり、前から見ると、玲奈の見事な巨乳が根本でキュッと絞られ、まるで白いキャンバスの上に置かれた二つの大きな風船のようになる。そして下腹部に目をやると、これまた白いキャンバスの中央に真っ黒な密林が広がり、その卑猥な密林の存在を際立たせてくれるのだ。
このユニフォームと先ほどのパンティ一枚姿と、迷ってはいたのだが、彼女の卑猥なパーツを見定めて、ようやく考えがまとまったのだ。果たして玲奈の反応は…。

「きゃー♪これも可愛いっ♪これ着たいですよぉ。こんな制服で仕事できるって、女の子としては嬉しいですよぉ♪さすがマスター!女心わかってますね~っ♪」
「(おいおい…こんな卑猥なレオタードを喜ぶ女なんて、そうそういないぞ~。面白いこと言うなぁ…玲奈)」
真っ裸のままで素直に喜びを表現している玲奈に、これまで以上の可愛さを覚えながら、彼女の着替えを見つめていると、程なくして目の前に変態的な衣装で飾られた玲奈が出現した。

「おおっ、やっぱりよく似合うね~。こっちにしてよかったよ」
「そうですかぁ、きゃーっ、嬉しい♪」
「よし、じゃあさっそく仕事の話だけど、ウチのお店のサービス5ヶ条は覚えてるかな?」
「もちろん!」
「実はさ、改装にちなんで少し変えたんだよね。これ、大きな声で読み上げてみてくれるかな」
「はーい」
サービス5ヶ条なるものが書かれた紙を手渡された玲奈は、ざっと黙読してから何のためらいもなく声高々に読み上げ始めた。
「いちっ!いらっしゃいませ♪ありがとうございました♪の声は明るく大きく!」
「にっ!お客様のオーダーは、よく聞きかならず復唱確認!」
「さんっ!整理整頓と清掃はいつも率先してやること!」
「しっ!私たちの身体はマスターの所有物!いつでもどこでもお触りもOK!犯すもOK!安全日は中出しOK!」
「ごっ!マスターのオチ○チンは常にキレイにフェ○チオで舐め上げておくこと!特にマスターのトイレ後には率先して行うこと!出てくる精液は心を込めて飲み下すこと!」

「うんうん。それを開店前に必ず女の子達全員で唱えるようにしようと思うんだ。どうかな」
「いいと思いますよっ♪こんなこと、こういうお店では当たり前の事だけど、当たり前すぎて忘れちゃうことでもありますからねっ!」
確かに、3ヶ条目まではどこのお店でも当たり前のように心がけているであろう。しかし、残りの二つは明らかに異常である。しかし、玲奈の中では、全くもって自然な当たり前の心がけとしか認識されていない。黒水晶の誤認操作能力の凄まじさには改めて感心する聡史であった。
「では、玲奈には先輩スタッフとして見本を示してもらうために、早速実践してもらおうかな~。ちょうどオシッコしたくなってたんでね。し終わった後お願いできるかな?」
「了解しました♪」
可愛らしく右手をちょこんとおでこに当てて、敬礼のマネをしてみせる玲奈。そんな彼女に心躍らせて、急いで用足しをし、一物をほとんど振りもせずに小水を滴らせたまま、一物を剥き出しにしてトイレから出てきた。あからさまな変態行為である。これが改装前なら、いくらなんでも即警察沙汰だったであろう。しかし…
「あ、早かったですね~♪ここで…でいいですかぁ?」
聡史の変態行為に驚くわけでも怒るわけでもなく、お待ちしてましたと言わんばかりに笑顔で出迎える玲奈。それも、彼女自身も例の変態ユニフォーム姿であるので、店の雰囲気と相まって、さながら高級風俗の様相である。

聡史はカウンターのハイチェアに腰掛け、
「うん、ここで頼もうかな。玲奈には、これから入ってくるスタッフのお手本になってもらわなきゃならないからね。これも上手になってもらわないとね。…ところで、玲奈はフェ○チオは経験あるの?」
玲奈はごく当たり前のように、聡史の股間の前に跪きながら、
「ええ、私だって少しくらい経験ありますよぉ。もうっマスターったら、いつも私を子ども扱いするんだからぁ」
「わるい、わるい。そっかぁ、玲奈も大人の女性なんだよなぁ…ウッ!」
そう言い終わる寸前に、玲奈は聡史の一物を口の中一杯に含み、そして舌でしごき始めた。
「ウッ…うおぉ…ビ、ビックリだよ…玲奈が…こ、こんなに舌使いが上手だったなんて…」
「でしょっ♪子ども扱いばかりしないでくださいね!まだまだいきますよぉ♪」
先端を舐め上げながら手でしごいたり、袋をめくり上げて裏側を舐めたり…さすがに芸術家の娘だけあって、こちらの感性を感じながら、そこを刺激しようと一生懸命になっている。
「(こ、これは…いい手本に…なりそうだ…)」
「れ、玲奈…俺はもういきそうだよ…5ヶ条通りに飲み干してくれるかな…」
コクリ…玲奈は今や口一杯で激しくしごきながら、笑顔で頷いて見せた。
「い、いくぞ…」

ドピュッ…ドピュドピュッ…
遂に一年以上も前から何とかチャンスがないものかと思いつつ、きっかけすら掴めずにいた玲奈の口の中に精を放つことが出来た!この感動で、これまでの射精とは比べものにならないくらいの電撃的な快感が、身体中を駆け巡った。
しかし、そこには決して恋愛感情があるわけではなく、玲奈はごく当たり前の“喫茶店のお仕事”としか認識していないという、行為と感情にかなりギャップがある関係であるが、今の聡史にはこれでも十分に満足であった。

「ふう…ご苦労さん。いやー、よかったよ。まさか玲奈がこんなにフェ○が上手だとは思わなかったなぁ。よし!玲奈をただのチーフじゃなく、“フェ○チーフ”にしよう。他の子に俺が喜ぶツボをしっかりと教えてもらわないとね!もちろん、その役の分は給料にも反映させるからね」
「やったぁ♪マスターありがとうございますぅ!」
「じゃあさ、後できちんとした物作るから、今日のところはこれを名札代わりに制服に貼っておいてよ。胸のあたりは剥き出しのオッパイで貼れないから、お腹のあたりがいいね」
そういって、何やら文字が書いてある白地のガムテープを手渡した。そこには“当店自慢のフェ○チーフ ミスち○ぽ 杉崎玲奈”というとんでもない肩書きと名前が書いてあった。
「あ、はーい♪ここに貼っておけばいいですね」
玲奈は何の疑いも持たずに、自ら自分の腹部にその恥ずかしい肩書きを貼り付けた。
「どう?うちの店の“ミスち○ぽ”…いいネーミングだろ?」
「さっすがマスター♪空間デザインと同じで、ホントにセンスいいですよねー」
「(ハハハ…いいセンスねぇ…果たしてそれは喜んでいいんだか悪いんだか…ハハハ…)」
あまりにも露骨で卑猥なイタズラを褒められて、素直に喜べない苦笑いを心の中で浮かべながら、この子にはどんな光景が映っているのだろうか…と考えてもみる。きっと自分が思い描いた空想世界のような、超一流のセンスに溢れた店内とサービスであると、その脳内で都合よく解釈してしまっているに違いない。それは玲奈だけではなく、これからこの店に訪れるであろう全ての人間、そしてそれを外から見ている人間全てに対して有効なのだ。

そんな充足感に早速身体が反応したのか、目の前で変態ファッションに身を包みにこやかに立っている玲奈に反応したのか、一発目の精を放って間もないのに、聡史の一物は再び天に向かってそそり立っていた。それを指差しながら、
「玲奈、ほら見てこれ。一発抜いてもこれだもんなぁ…これじゃあ、落ち着いて仕事できないからさ、二発目は玲奈のオ○ンコを借りようかな。5ヶ条にもあったように、玲奈の身体は俺の所有物だから問題ないかな?」
「もちろん♪…って言いたいですけどぉ…まだそこは洗ってきてないです…マスターに使っていただくには、ちゃんと洗ってこないと…」
「ハハハ…まだまだ甘いなぁ、玲奈は。男はそういうメスの匂いに欲情するってことを、知っておかなくちゃね。これからも別に洗っておく必要はないからね。絵の勉強の帰りに直行することもあるんだからさ、一々洗ってられないでしょ。その代わり、そういう日は、今貼ってる名札の下にこれも貼ること」
そう言って、聡史はまたもや先ほどの白地のガムテープを取り出し、“今日は臭いオ○ンコです”と書いて、玲奈に手渡した。
「そう書いておけば、分かりやすいでしょ。それを全スタッフ共有のルールにしよう。洗ってきた子には“今日は洗いオ○ンコです”って貼り付ければ、俺も仕事がしやすいしね」
「あ、ナイスアイデアですね!…じゃあ、私…今日はこれを貼り付ければ、このままでもいいんですか?」
「もちろん。それ貼っといてくれれば、“あっ、今日は玲奈のオ○ンコは臭いんだな”って、こっちも予め準備できるでしょ」
「よかったぁ。…では、どうぞ♪」
そう言うなり、なんと玲奈は自らカウンターに手を付いて、後ろからどうぞ…と言わんばかりに可愛いオシリを聡史に向けて突き出してきた。この行動は彼女にとって、別に娼婦を演じているわけではなく、チーフスタッフとしての責務を果たすべく、積極的に喫茶店の仕事をしようとしているだけなのだ。

「お、サンキュー。ではさすがにこのままじゃ入らないだろうから、今日はサービスして少し舐めてあげようかな」
「!!…マ、マスターぁ、あ、洗ってないんですけどぉ…」
「それがいいって言わなかったっけ?」
「…そ、そうですけどぉ…」
「まっ、そのままカウンターに手を付いてじっとしてればいいよ」
「…は、はい……うぁっ…」
聡史は、突き出された玲奈のオシリを鷲掴みして押し広げると、その中央に一気に顔を埋めていった。
「(はぁぁ…これが玲奈の隠されてきた匂いかぁ…確かに…刺激的な匂いだな…こんなに可愛い顔してても、やはりここはこんなにも生臭いか…)」
うら若き乙女の恥ずかしい恥部の匂いを堪能しつつ、聡史の舌は柔らかい秘所の二つの丘全体を舐め上げていく。
「アハァ…アッ…」
恥ずかしがっていた玲奈も聡史が自分の汚れをも受け入れてくれたことに安心したのか、自然と可愛らしい喘ぎを見せ始めていた。
聡史の舌はまるで槍のように鋭く尖り始め、二つの丘の中央にある突起を丹念に刺激し始めた。
「アッ…アッ…アッ…アッ…」
刺激する度に上がる嬌声と同時に樹液のように溢れ出てくる愛液が、玲奈の受け入れ準備態勢が整ったという回答のようであった。
「(ついでにここも舐めておいてやるか…)」
聡史の舌は鋭さをそのままに、今度はもう一つの穴であるアナルの堅く締まった門をこじ開け、一気にその内部に侵入した。
「!!!…ハァァッ!!マ、マスター…アァゥゥ…そ、そこは…もっと汚い…ですよぉ…」
「だから、今日は特別に俺がキレイにしてあげてるんだろ。ここは喫茶店だ。ここくらいは衛生上キレイにしないとな。今日はちゃんと大きい方してきたのか?」
「アァ…は、はい…毎日ちゃ、ちゃんと…アゥッ!…で、出てます…」
「ハハハ、健康でよろしい。そういえば例奈は今彼氏いるのか?」
「アッ…アッ…は…い…います…」
「へー、そうだったのかぁ、知らなかったなぁ…じゃあ、今度彼氏も是非連れておいで。玲奈の仕事振り見てもらわなきゃな」
「アァァ…はい…ゥアァァ…」
アナルを責め立てながら、尚も聡史の質問責めは続く。
「彼氏とはこのアナル使ったことあるのか?」
「…は、はい…指入れられたことくらいですけど…アゥッ!…」
「羨ましいねぇ、愛情のあるセックスなんだろうなぁ…でもここではお仕事で使う穴だからね。その辺は同じ穴でもきっちり区別してもらわないとね。ちょっと辛いかもしれないけど、まぁ仕事だからね。ここにも俺のチ○ポが入ることも度々あると思うよ。愛情のあるセックスで使うアナルと、仕事で使うアナル…わかるよね?」
「アァァ…は、はい…よ、よく分かりますぅ…」

「よしよし。じゃあ十分に滑りが良くなったようだから、そろそろ使わせてもらおうかな」
「アァァン…どうぞ♪」
聡史はゆっくり身を起こすと、もうはちきれんばかりに屹立している一物を、玲奈の秘所にあてがった。

(黒水晶<第3話>に続く…。)

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妄想商会(10)~黒水晶〈第1話〉~*特殊アイテム

皆様こんにちは…おなじみのシルクです。
私はご存知のように魔界と人間界を渡り歩く貿易商人を生業にしております。
魔界ではタバコのように、人間の欲望エネルギーが嗜好品としてよく売れます。だから、私は人間界で魔界の力を駆使して人間の欲望エネルギーを集め、それを魔界にて交易しています。

この街は人間のインモラルな淫欲が渦巻いていますので、時としてとても質の高いエネルギーが得られます。私はそのエネルギーを小さなカプセルに詰めて、魔界で売り歩くんですよ。これが驚くほどの人気で売れるのですね。
いつもは私の店にその淫欲を提供してくださる方をお招きするのですが…どうやらちょっとトラブルを起こしかけている人がいるようですので、ちょっとこちらから足を運んでみますかね…。



その喫茶店は、駅前の繁華街から少し離れたところにポツンと店を開いていた。
かといって、寂れた閑散とした雰囲気ではなく、けっこう繁盛しているのだ。それもほとんどが若くセンスのよい女性の上客ばかりである。
その訳は、この店のマスターにあった。
この店のマスターである板垣聡史は、元々空間デザインの草分け的な存在として時折雑誌にも顔を見せていた人物で、その自分の技術を用いた趣味の一つとして喫茶店を始めたのだ。
その空間芸術のセンスに惹かれて、口コミで多くの女性客が集まる場所にまでなっていた。
今では聡史も喫茶店事業が面白くなっているようで、デザイナー業そっちのけで喫茶店にいりびたっている。

それにはもう一つの理由があった。
どんな社会的成功者でも人間的に弱い部分はあるもので、実は聡史は大の盗撮マニアでもあったのだ。故に自分の喫茶店のトイレにカメラを仕掛け、日毎女性たちのプライバシーを覗き見ていた。
聡史自身も設計にも携わっていたので、そのあたりは抜かりなく、カメラの隠しスペースも用意しており万全の態勢であったのだが、悪事は暴かれるもので…。
遂にその時が訪れてしまった。

もう閉店間際の閑散とした店内で仕事帰りに立ち寄った女性客一人が最後の客であった。
二人いる女性従業員も先に上がらせ、聡史一人が集計仕事をしていた。
「こんな時間まですみません。ちょっとお手洗いお借りして帰りますね」
「いえいえ。どうぞどうぞ、もう私しかいませんので、ごゆっくりしてくださって結構ですよ」
そんな他愛もないやりとりを交わし、その女性客はトイレへと入っていき、それを見送る聡史はもう手馴れた悠然とした手つきで、遠隔操作のビデオカメラのスイッチをオンにした。
その顔には、いい獲物がかかった時のハンターのように妖しい笑顔を漂わせながら…。

しかし次の瞬間、その悠然さが一気に硬直した。
「キャーッ!」
トイレから先ほどの女性客の悲鳴が聞こえ、慌しく駆け出してきた。
「ちょっと!どういうことですか!何でトイレにカメラが仕掛けられてるんですか!説明してください!」
予想もしていなかった展開である。
絶対に見つからないであろう場所に隠していたのに…多分この女性客は用を足している最中に、あちこちいじりまわしていたのであろう。不自然なタイルのはめ込み方と、そのタイルだけ磨りガラスのように材質が違うことを見抜き、触ってみるとなんとタイルが外れ、中からカメラが出てきたのだ。そのカメラは電源が入ったままで、明らかに用を足していた女性の股間部分に焦点が合うように設置されており、タイルと思っていたものは、なんとマジックミラーになっていたのである。明らかに覗きの確信犯的証拠であろう。

「説明してください!私のことを盗撮しようとしていたのですか!ひどい!許せない!警察呼んでください!!」
あまりの女性の剣幕に、聡史もたじろぐばかりである。なにせ状況証拠と物的証拠が揃いすぎている。この場で警察を呼ばれたら…これまで築き上げてきたキャリアも地位もこの店も全てが無に帰してしまう…。そんな焦りと恐怖で、聡史は身体全体で大汗をかきながら、必死で女性をなだめようとするばかりなのである。
しかしそんな聡史の努力も空しく、女性は携帯を取り出し110番を押そうとしていた。
「(もうダメだ…)」
そう思いかけた刹那…。

……………。

一瞬にして静まり返る店内…いや店内ばかりではなく、外の雑踏すら聞こえてこないような完全なる静寂…。そして目の前の女性に目をやると、なんと携帯を見つめたままの状態で身動き一つしなくなっていた。
「(なんだ…これは!?)」
この状況変化に思考がついていかない。そーっと女性の肩を押してみた。びくともしない…。
「(こ、これって…時間が止まっているのか!?)」
ようやくその思考にたどり着いた時、さっきまで誰もいなかったはずのカウンター席に、黒いシルクハットをかぶり、黒いマントを羽織った妖しげな男が座っていることに気付いた。


「お困りのようですねぇ」
その妖しい男が怪しい笑みを浮かべながら話し掛けてきた。完全なる静寂の中での発言なので、さほど大きくない声でもハッキリと聞き取れる。
しかしその不自然な状況に、またもや聡史は返す言葉を失っていた。
「ハハハ…驚かせてすみませんね。いえね、こちらも少々慌てましたので、何の前触れもなく時間を止めさせていただきましたよ。危なかったですねぇ」
「!!…じ、時間を止めたって!?…じゃ、じゃあ、この状態はアンタがやったのか!?」
「ええ、そうですよ。今この世界で動いているのは、人間界ではアナタだけでしょうねぇ、板垣聡史さん…」
「!!!…なんで俺の名前を!?アンタ…誰なんだ!」
「これは失礼。申し遅れました。私はシルク…魔界と人間界を渡り歩く貿易商人です。どうぞよろしく」
「ま、魔界!???」

まるでSF映画の中のような台詞に、ますます聡史の困惑の度合いが高まっていく。
「ええ、聞いたことありますでしょう。魔界という言葉くらい」
「し、しかし…(いきなりそんなこと言われたって…)」
「おや、信じられないですかねぇ…この時間が停止している状況にいても。でしたらお邪魔なようですので、時間を戻して私は立ち去りましょう」
「!!…ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「フフフ、やはり今この状況を放っておかれたら困りますよねぇ…信じてもらえます?」
「わ、わかった。信じるよ…た、ただ…アンタはここへ何しに来たんだ?まさか俺を助けてくれるというのか?」
「ええ、そうですよ。魔界の善意…でね。私と取引をしてくださるなら、あなたを守って差し上げますよ」
「取引!?」
「ええ…。私はあなたのその強力な淫欲が欲しいのです。あなたがこの先、その淫欲をさらに発揮してくだされば、私はその淫欲のエネルギーを魔界で売りさばくことが出来るのです。いい儲けになるんですよ。魔界の住人たちは、人間の欲望エネルギー…特に淫欲から出来るカプセルをタバコのように好んで常用しますのでね…。協力してくださるのなら、この場をお助けし、その上であなたの淫欲をさらに発揮できる環境つくりのお手伝いをしますよ。まぁ、言わば儲ける為の投資ですねぇ」

聡史はいきなり突きつけられたその話に、正直迷いに迷っていた。
突然現れた魔界の住人と取引しろと言われても、この先何が起こるのか…これは夢かもしれないという思いまで込み上げてくる。
「迷う必要もないでしょうし、迷っている場合じゃないと思いますよ…このピンチでは…ね」
それもそうだ…今を何とか乗り切れるなら、悪魔にでも魂を売ろうではないか!聡史の決意は決まった。
「よ、よし。取引に応じよう」
「ありがとうございます。では、まずこの場を切り抜けましょう。その後でゆっくりとご相談をしましょうね」
そう言って、シルクは携帯を見つめたままで彫像のように固まっている女性客の頭に手をのせ、意味もわからない聞いたこともない言語のようなものをブツブツと唱えた。
直後…シルクの手がボーッっと怪しい緑色の光を放ったかと思うと、すぐに消えた。
「これで大丈夫でしょう。これから時間を戻しますが、この方はさっき起きたトラブルのことは一切記憶に残していませんので、ご安心下さいね。おいしいコーヒーを飲んで、トイレでスッキリして帰ろうとしているところです。時間を戻した後も、私はここに立っていますが、魔界の結界内におりますので、この方には私のことが見えません。いいですね?」
「あ、ああ…」
聡史は今だ半信半疑であったが、胸を不安で高鳴らせながら時間が戻る瞬間を待つしかなかった。

……………。

「あ、マスターさん、こんな時間まですみませんでしたぁ。でも、このお店、すごく雰囲気よくて気に入りましたよー。また来ますね!」
「え!?…あ、あ…ハハ…はいはい、是非またお越しくださいね…」
先ほどの怒りの剣幕とはまるで正反対の態度に、危機回避からの安堵と奇跡への驚きでしどろもどろになりながらも、何とかその女性客を見送った。

「いかがですか?よかったですねぇ。ピンチを切り抜けることが出来て」
「す、すごい…これが現実のことなんて…」
「どうです?ここまでくれば、いい加減信じてもらえますか?」
「あ、ああ…もう疑いようもなくアンタの言ってることと力を信じるよ」
「フフフ…ありがとうございます。では、取引の内容をご相談しましょうかね」
それからしばらくの間、聡史とシルクは密談を交わした。

しばらくしてようやく密談が終わり、
「いやぁ、聡史さん…アナタの欲望の深さと大きさには驚きました。よろしい、その全てに支援をしましょう」
「ほ、本当に?」
「ええ、まずこのお店を改装しなければならかったですね。改装のための資金もご用意しますよ。私にとって人間界のお金など、何の価値もありませんのでね。たくさんあるところから持ってくるだけですから、ご安心くださいね」
「あ、ああ…(それってどっかからくすねて来るってことか…)」
「それから、肝心なものを用意しなければなりませんが、それは改装後ということで…ではちょっとお待ちくださいね」
そう言った途端、シルクの身体がまるで空気に溶け込むように消えていった。

それから程なくして、再び空気の中から浮かび上がってきたシルクは、重そうなケースを抱えており、その中にはなんと、改装には十分すぎるほどの紙幣が入っていた。
「こ、これって…使っても問題ないお金なのか?」
「ええ、後で調べようとしても調べられないようなところから運んできましたので…全く問題ありませんよ」
「す、すごいね。魔界の力って…」
「ですかねぇ…まぁ、人間界では出来ないことはないってことくらいは確かでしょうけどねぇ…では、計画通りに改装が済んだときにまたお会いしましょう」


2ヵ月後…。
ようやくに計画通りの改装が完了した。
小さなビルの一階部分だけの店舗であったものが、都合よく二階も空き店舗になっていたので、上下をエレベーターで繋ぎ、二階建て店舗に改装しなおしたのだ。
改装が成った店舗内で、一人佇んでいたとき、
「ようやく終わりましたね…いい感じじゃないですか」
いつ来たのか、シルクが立っていた。
「ああ、お陰さまでね」
「では、これがアナタの欲望を叶えるアイテムです」
そう言って、シルクはカウンターの上に蓋の開いた箱を置いた。中には黒光りしている宝石のような石が、いくつも入っていた。
「これは?」
「これは黒水晶ですよ。人間界では黒水晶は“降魔鎮邪”の貴石として特別視されていて、陰の氣の吸収・浄化にかけてのスペシャリストなどともてはやされておりますが、本来は魔界の石なんですよ。人間界での邪念をたくさん吸収した黒水晶は、ものすごい魔のパワーを持っておりましてね。これらはかなり熟成された石たちです」
「へぇ…で、これをどう使えば?」
「ええ、今夜一晩、これをアナタの寝床の下に敷いて寝てください。それでこの石たちはアナタの淫欲を共有するようになります。その後、これらを一つずつ、この店の全ての角に置いていってください。それで完了です。そうすることで、ここには魔界の結界が引かれ、この中ではアナタはその淫欲のままにしたい放題ができますよ…フフフ…」
「それは…すごい…」
「それでは…アナタの淫欲が最大限に放出されることを期待しておりますよ…ゴキゲンヨウ…」
シルクはそう言い残して、いつものように空気に溶け込んでいった。

いよいよ…待ちに待った計画の実行である。
もうこれまでのようなチマチマした危うい橋を渡るような変態行為など、しなくてもいいのである。

(黒水晶<第2話>に続く…。)

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妄想商会(9)~悪夢〈第5話〉~*特殊アイテム

保健指導室内では、異様な光景が展開されていた。
こともあろうに、学校職員が在学生である水野有紗の制服を身に纏い、その有紗のショーツの匂いを嗅ぎながら、ベッド上で大股を開いて喘いでいるのだ。
そしてその痴態を自前のカメラで撮影しまくっている男子学生が一人。

カメラを構えている隆志の前で、恥ずかしげもなく痴態を曝け出している瞳は、
「(アァ…これなのぉ…この快感…たまらない…アハァ…そうよ…これが私がずっと望んでいたこと…私は変態…この変態の姿をもっと隆志君に見てもらいたいのぉ!!…)」
隆志のもくろみ通りに脳内変革が急速に行われているようで、今やこの異常な行動に完全に酔い痴れていた。
「瞳さん、すごく感じてるね。だんだんとパンティのシミが大きくなってきてるよ。変態瞳…この名前がピッタリだね」
「アァァ…そう…私は…変態…」
「そうだよ。瞳さんは変態なんだ。僕の前で変態行為をすることにものすごい喜びを感じるんだよね?」
「…うん…そうなの…」

遂に瞳は心の内の衝動を、口頭で認めた。
完全に隆志に弄ばれる変態奴隷に堕ちた瞬間である。
「瞳さん、水野のパンツさ、手に持ってると疲れちゃうから、股間の部分が鼻に当たるようにして被っちゃいなよ。でさ、フリーになった手で、思い切りオナニーしちゃおうね。変態なんだからさ!」
「あ、…うん…」
瞳は有紗のショーツをまるでマスクのように被り、股間のクロッチ部分の両側からトロンとした目だけを覗かせて、右手は股間左手は胸に運び、同時に激しくまさぐり始めた。
「アアゥッ!…」
電撃的な刺激が身体中をかけめぐるすさまじい快感に、大きく身体を仰け反らせ、喘ぎに喘いでいる。

「(よし…このまま一気に…)」
隆志は変態女子高生になりきっている瞳の顔に近づき、ズボンのジッパーを下ろして、ギンギンに張り詰めている一物を曝け出した。そして、そっと瞳の口を覆っている布を口が出る程度にめくりあげ、
「変態の瞳さん…もっと変態らしくさせてあげるよ。僕のこれをしゃぶりながらオナニーしている姿を撮影しようね。どう?より変態っぽいでしょ?」
「ァハァン…」
一言喘ぐとともに大きく口をあけ、自ら顔を寄せて隆志の一物を口の中深くまで没入させ、これまでの数少ない男性経験を活かして、器用に舌を動かし始めた。
「(!!…おおおおおおおおっ!!!こ、これがフェラチオ!?…それもずっと好きだった瞳さんのフェラチオ!!スゲー気持ちいいっ!!)」
初体験の隆志は、憧れの瞳にされている…という感動にも後押しされて、ものすごい快感の絶頂に達していた。

浅い付き合い方ではあったが、孤独な隆志にとってこれまで何度となく通った唯一のオアシス的存在の保健指導室で、さらにマドンナ的存在の瞳とこんな変態プレイが出来る日が来るとは、一体誰が予想できたであろうか。いや、普通であればそんな予想などが思い浮かぶ可能性さえ皆無なはずであった。
しかし、今やこれが現実。
目の前には、女子生徒の汚れたショーツを被ったまま隆志の一物を丹念に舐め上げながら、自身のショーツを絞れるのでは…と思うほどに濡らしながら激しくオナニーを続けている変態性欲女となった高松瞳がいるのだ。
「あぅぅ…ひ、瞳さん…いい画が撮れてるよ。で、でも…そろそろイキそう…変態なら当然全部飲み干してくれるよね?」
瞳は口一杯に隆志の一物を頬張りながら、コクリとうなづいて見せた。
「うぉぉぉっ…いくよっ!」
かけ声一発。…ドピュッドピュッドピュッ!!溜まりに溜まった欲望の塊のような濃い精液が、瞳の喉奥深くに注ぎ込まれていく。
「ングッ、ングッ!ングッ!」
喉を鳴らしながら唾液と精液のミックスジュースを美味しそうに飲み下していく変態女。その女はかつて可憐、清純、高潔、朗らかなどといったイメージの代名詞的存在だったのだが、今は淫乱、淫靡、変質者、インモラルの代名詞と言えるような存在に成り下がっていた。
しかしこの変化は嫌々ながら強要されたものではないのである(まぁ、極論的には隆志に変えられたのだが)。自らが己の奥底に眠っていた性を呼び覚まし、覚醒したことを自覚し能動的に行動しているのだ。だから、精液を飲み下しているその恍惚とした表情にも、幸福感さえ見てとれるほどなのである。

「変態の瞳さん…どう?おいしい?」
「ング……うん、おいしぃ…」
「僕も最高に気持ちいいし、とっても変態な写真が撮れてるよ。それにほら…僕ももう止まらないよ」
隆志の一物は発射直後にも関わらず、もうその張りの勢いを取り戻していた。
「すごいね…もっと頂戴…」
瞳の方も一旦解放した自己の変態感情に歯止めが利かなくなっているらしく、より積極的な応対をするようになってきていた。
「あのさ、今度はこっちの方で受け止めてくれないかな…その方がもっと変態な姿を撮影できると思うんだ」
そう言って、隆志は瞳の股間でまだ小刻みな動きを続けている彼女の手に、自分の手を重ねた。
「アゥン…隆志君なら…いいよ…」
隆志は幸福感の絶頂に達していた。強制ではなく、瞳の自発的な了解を得て交わることができるのだ。
瞳に認められた充足感と、遂に訪れた童貞喪失の瞬間に身を震わせる思いで、急ぎ早に瞳の下半身部分へと身を動かし、彼女の開かれた両脚の間に身を座らせた。

「じゃあ、いくよ…」
「うん…」
お互いの気持ちを確認した上で、瞳の質感のある両太ももをグイと持ち上げ、張り詰めた一物を少しずつ彼女の体内に埋めていく。
「う、うわぁ…温かくて、柔らかくて…すごい…気持ちいい…」
これが女体の温かさなのか…そんなことを全身で感じながら、撮影も忘れて一心不乱に腰をスライドさせ始めた。
「アッ!アッ!アッ!アッ!…」
突き入れるたびに漏れてくる可愛らしい喘ぎ声が、隆志の爆発にさらに拍車をかける。
「あぁぁ…もうダメだ…イキそう…瞳さん…どうしたらいいかな…」
「アァァァ…だ、大丈夫よ…今日は大丈夫…中で出していいよ…アンッ!!」
「あああっ!いくよ!いくよ!!」
…ドピュッドピュッドピュッ!!
隆志はその色気のない叫びとともに、瞳の体内に大量の白いマグマを噴出させていった。


それから数週間後…。
瞳の生活は一変していた。
白と淡いイエローで統一されている室内カラーこそそのままであるが、可愛らしい小物が飾られていたラックには、今はいきり立つ男根を形取った様々なサイズのディルドーやバイブなどが恥ずかしげもなく飾られ、また、クローゼットには様々な学校のセーラー服やメイドコスチュームなどがこれ見よがしに掛けられている。
部屋の中央にはパソコンが置いてあり、その前には開脚時に脚が置きやすいような箱型のソファが備え付けられ、パソコンにはwebカメラが設置されていた。毎夜ここで顔こそ出さないものの、不特定多数の男性に自分の秘所を披露しているのだ。「変態学校職員ヒトミ」今やそのニックネームはネット界では、かなり知られる名前になっているようである。

当の瞳は今の暖かい季節でもあるので、家の中では全裸で生活している。
隆志からプレゼントされた赤い首輪以外は、何も身に纏っていない。
外出時のみそれなりの服装はしていくが、下着の趣味は完全に変わっている。スケスケや穴あきなどの刺激的な下着しか今は持っていない。
仕事であろうが、正装で参加するパーティであろうが、そういった下着しか身に着けたくないのである。

そして週に3日は泊まりに来る隆志を、日々心待ちにしているのである。
隆志と行う変態プレーの数々が、今の瞳の心の幸福感を支えてくれていると完全に信じ込んでいた。
隆志の為にもっと変態にならなくては…この一念が瞳の元気の源になっているのである。
そして今夜もきっと隆志が登場する悪夢…いや、幸福夢をみることであろう。
夢の中で次はどんな刺激が生まれるのか…そしてそれが現実生活に反映していく喜びをもっと味わいたい…。そんな思いで一杯なのである。
なぜそんな夢ばかり見るのか…それは未だに瞳には分からない。ただひたすらに自分の中で眠っていた欲求とだけ信じている…。

(妄想商会~悪夢~<完>)

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妄想商会(8)~悪夢〈第4話〉~*特殊アイテム

保健室を後にした隆志は、瞳の不自然さに程よい手応えとささやかな喜びを感じながら、昼休みの残り時間をいつも行く屋上のベンチで過ごそうと思い、屋上への階段へ差し掛かると、なんとそこに妄想商会で出会ったシルクが立っていた。

「やぁ、どうも隆志さん。突然こんなところで待ち伏せしてしまって、すみませんね」
相変わらずの不気味な薄ら笑いを浮かべながら、待ち伏せしていたことなど申し訳程度にも思っていないような軽い頭の下げ方である。
「ちょっ、ちょっと!こんなところでなにやってるんですか!来てもらっちゃ困りますよ!」
「ご心配なく。私の姿は他の人には見えませんから」
「へ!?…そうなの?」
「ええ。これでも人間界と魔界を渡り歩く…なんて非現実的なことが出来てしまう私ですから。今は魔界側の結界を通してあなたに会っているんです。ですので、ご安心を。」
「う、うん…。分かったけど、あの~、何しに来たんですか?」
「いえね、色々とお楽しみなようですが、あなたの妄想エネルギーをお買い求めの魔界のお客様が、イマイチ味が薄い…と仰られてましてね」
「味が薄いって…!?」
「以前お話しましたよね。魔界では人間の妄想エネルギーが、タバコのように嗜好されていると…なので、そのエネルギーが強ければ強いほどそのエネルギーの味も濃くなるんですよ」
「へぇ…そうなんだ…って、じゃあ、僕の妄想がまだ弱いってことですか?」
「まぁ、そうなりますね。隆志さんはまだ瞳さんと直接交わっていませんしね。やはり妄想の果てに男女が交わりあって快感の絶頂に達した時のエネルギーが、最も高値で売れるんですよ~。ということで…本来はこんなことしないのですが、隆志さんの念願成就のために、ちょっとおせっかいをさせていただくことにしました」
「おせっかい??」
「ええ、ある女性の行動をちょっとだけ操作して、瞳さんをより刺激してみることにしました。放課後すぐにその行動が行われるでしょう」
「よく分からないけど…で、僕はどうすれば…」
「このモニター貸してあげます」
そう言って、シルクは携帯電話のような画面付きの装置を手渡した。

「魔界のモニターです。開けば映りますよ。閉じれば消えます」
そう言われて、隆志はおもむろに二つ折りのモニターを開いてみた。
そこには、机に座って書類に目を通している瞳の姿が、頭上からのアングルで映し出されていた。
「!!!…これって…」
「そうですね。保険指導室の今の映像です。下のスクロールキーで、室内どこでも見れますよ」
「す、すげーっ!!これって盗撮ですよね」
「魔界のアンテナ通してますからね。カメラなど必要ないので…ただ、高価な物なので、隆志さんが下校する時には勝手に消滅して、私の手元に戻りますのでね」
「う、うん。で、ここにその放課後に起きる出来事…が映し出されるんですか?」
「そういうことです。多分、あなたが期待している通りの展開になるんじゃないですかね~。あれだけ念入りな下準備していれば…フフフ…で、その出来事の後にもう一度指導室に行くとよいでしょう」
何だかシルクに今までの変態行動を全て見透かされているようで、恥ずかしく思いながらも、期待の方が上回っている。
「わかりました。色々とどうもありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそ、隆志さんに頑張ってもらえた方が儲かりますんでね。これ以降、あなたの念願が成就されれば、あなたとお会いすることは無いと思います。まぁ、顧客リストには載りますので、また新たな妄想が育まれれば、お会いする機会もあるかもしれませんがね…」
そういい終えたと同時に、シルクの姿はその後ろの壁に溶け込むように消えていった。隆志の手の中には、受け取った魔界のモニターがしっかりと握られている。
果たして放課後、ここに何が映るのか…今見ていても、あまり変化の無い瞳の事務作業姿しか映らないので、放課後を楽しみに…と思いながら屋上行きは取り止め、教室へと向かった。

そして放課後…。
隆志は期待に胸を膨らませ、急ぎ早に屋上へ向かった。放課後の屋上は、ほとんど人影も無いので、落ち着いてモニターを見ていることができる。
ベンチに座ってモニターを見ると、瞳はどうやら棚の中を覗き込んで備品のチェックでもしているらしかった。
「まだ何も起きていないか…」
そう思いつつ、ふとモニターの側面を見ると、何やらジャックの差込口のような穴があいている。もしやと思い、自分のミュージックプレーヤーのイヤホンを差し込んでみると、やはり音まで入るではないか!なんて素晴らしい装置なんだ…とつくづく思いながら、しばらく様子を窺うことにした…。

その頃、保険指導室…。
瞳は隆志の推測通り、事務備品などの在庫チェックをしていた。すると、ガラガラとドアが開き、
「瞳さ~ん、あっ、いたいた!」
入ってきたのは、なんとあの制服盗難事件の被害者である水野有紗である。
有紗はこれから水泳部の練習があるのであろう。既に着替えてジャージ姿で保険指導室に入ってきた。
夢の中でのいきさつをはっきりと覚えている瞳だけに、突然の有紗の来訪にドキリとしながら、
「あ、…あら…水野さん…どうしたの?」
「瞳さん、ごめんなさい!まだ仕事してるでしょ?できたらこの着替えが入っているバッグ、ここで預かってもらってもいい?」
「えっ、あっ、別に構わないけど…でも、どうして?」
「私、昨日部室に置いておいた制服とか盗まれちゃってさ。それ以来、部室に置くの嫌なの」
「!!(盗まれた…って!?じゃ、じゃあ、あの夢の中で着た水野さんの制服って…でも、あれは明らかに夢だし…)」
「瞳さん?どうかしたの?迷惑だったらいいけど…」
「あっ!ごめんごめん。ちょっと考え事しててね。いいよー。そのイスの上にでも置いていっていいよ。練習頑張ってね!」
「瞳さん、サンキュッ♪」
もうじき練習が始ってしまうのであろう。有紗は着替えその他で膨らんだバッグをドサッと置いて、急いで指導室を後にしていった。

その模様を隆志は高鳴る心臓の鼓動を抑えながら、食い入るように見入っていた。
こんなことは全く不自然なのである。確かに盗難に遭ったのは昨日のことであり、着替えた物を部室に置いておくのは心配だろうが、そうであればそのバッグごとプールサイドにでも置いておけばいいはずであるし、部でも何らかの善後策は考えているはずである。それにプールと保険指導室はかなり離れている。これは全くの不自然であり、あり得ない状況設定であった。
だから、これがシルクが仕掛けたことであろうことが容易に理解できたのであり、それがためにこれから何が起こるのかという期待で胸がこんなにも高鳴っているのである。なにせ、瞳の次の行動がある程度予測できているのだから当然であろう。このシチュエーションで瞳が起こすであろう行動の下準備をしてきたのは、彼自身なのであるから当然である。
隆志は引き続きモニター画面に食い入っていった…。

保健指導室内では有紗が去った後、瞳は引き続き備品管理を再開していた。しかし、徐々に何やら落ち着きがなくなってきている。明らかにチラチラと有紗のバッグを気にしているのだ。
「(み、水野さんのバッグ…あの中に彼女の着替えが…あの制服や下着で夢の中であんなことを…ヤダッ!私ったら、何考えてるのよっ!)」
瞳の脳裏には、昨夜の夢の中での出来事がはっきりと残っている。あの忘れ得ない興奮と快感がありありと蘇ってくるのだ。
「(…あぁ…でもやっぱり…もう一度…今度は夢ではなく本当に…あぁ…誰もいないし…ちょっとだけなら…)」
瞳は自分の中から湧き上がってくる淫らな衝動を抑えることが出来なくなってきていた。これも隆志が仕組んできた下準備の効力なのである。“夢の中の出来事が自分の望んでいること”この暗示が今その効力を発揮しようとしているのである。

瞳は遂に行動を起こした。
有紗のバッグを掴むと一旦ドアを開け辺りに人の気配が無いことを確認した後、指導室内のベッドの上にバッグを置き、そしてカーテンを閉めた。これで一応外からはベッド内の様子は見えなくなったはずである…さっきからずっと瞳の様子に見入っている隆志を除いてだが、瞳は自分の行動の一部始終を隆志に見られていることなど、全く気付いていない。
そのまま震える手で有紗のバッグのファスナーを開けた。
中から微かに漂ってくる少女の匂い…それだけで瞳は頭がボーっとしてくるようだった。こんな衝動は、本来変態オタク男が持つべきものなのであろう。まさか頭脳明晰朗らか前向き思考のうら若き美人職員が持つべき性癖ではないはずであるが、今の瞳は隆志の歪んだ妄想により、完全に変えられてしまったのである。

瞳はバッグの中から有紗の制服を取り出し、少し焦っている様子で一気に自分の衣服を脱ぎ始めた。そしてピンクの上下揃いの下着姿になると、有紗の制服に着替え始めたのである。隆志が盗み出す際、瞳の体格と同格のターゲットとして有紗を選んだのだから、その制服が瞳にフィットするのは当然である。
そんな偶然に気付かないほど瞳は興奮の坩堝の中にいた。夢の中でのあの快感が現実に…この思いだけであった。
靴下まで穿き終えると、そこには女子高生・瞳の姿が出現した。
「(ああ、この快感…たまらない…この格好を隆志君に撮影されて…ああ…隆志君にもう一度撮影してもらいたい…私のこの姿を…)」
一度噴出した欲求はとめどもなく溢れ出て、瞳の新たな精神を構築していく。隆志が望む変態性欲美女・瞳の開眼である。
瞳はさらにバッグの中から小さく折りたたまれた紺色の綿生地ショーツを取り出した。さっきまで有紗が穿いていたものである。それを裏返し、有紗の股間に当たっていた部分を自分の鼻に押し付け、思い切り鼻で周囲の空気ごと吸引する…
「ハァァ…」
声が漏れた。艶かしい声である。完全に快感に酔いしれている声であった。
瞳はそのままベッドの上に座り込み、壁に寄りかかって匂いを嗅ぎつづけながら、おもむろにもう片方の手がスカートをまくり、股間に伸ばしていった。
その手はゆっくりとしかし確実に彼女の秘所へと運ばれ、そして最も敏感な突起に指が到達した時、
「アァァァウゥ…」
身体中に電気が走ったかと思うような強烈な快感が走った。

まさしく異常な光景である。
モニター越しに瞳のあられもない痴態を目の当たりにしている隆志は、思わず息を飲んだ。
「(スゲー!夢の効果スゲーッ!瞳さんが自発的に変態オナニーしてる!これって、やっぱり完全に瞳さんが変わってきてるんだよな…)」
確かな手応えを実感していた。自分が夢の中で操っていたことと同じことを、今や自ら望んで行動しているのだから。
「(行動を見てから保険指導室に行くように…シルクが言ってたな。今この瞬間に僕が入っていったら…瞳さんはどんな反応をするだろうか…)」
思い立ったと同時に足は保険指導室に向かっていた。

人気のある階層を通り過ぎ、人気の無い保険指導室のある廊下にたどり着くと、足音を立てないように指導室に近づき、一気にドアを開け、
「瞳さ~ん!まだ仕事中?」
間髪入れずにわざと大きな声で呼びかけた。
「!!!」
カーテンの向こうから慌てた様子の布ずれの音が無音だった部屋内に響き渡る。
「あれ?瞳さん、そこにいるの?」
わざとらしく声をかけ、ゆっくりとベッドの方へ近づいていこうとすると、
「たっ、隆志君!?、ごめん!!い、今着替えてるからこっち来ないで!!」
かなり動揺している様子の声が返ってきた。
「おっとぉ…瞳さんゴメン!ゆっくり着替えてね。待ってるからさ」
意地悪な返事である。女性が着替えをしているのだから外で待てばいいのに、今の瞳にはそんな判断も出来ないだろうという余裕のあるタカのくくり方で、平然と屋内のベンチに腰を下ろしているのである。

程なくして瞳が慌てた様子で出てきた。しかし、ベッドのカーテンは閉めたままである。中に置いてある荷物(有紗のもの)を見られたくないということであろう。
「た、隆志くん。まだ帰ってなかったの?」
少々上ずりそうになる声を、何とか自分と周りの状況を落ち着かせようとしているかのような様子の瞳に、全て知っているのにな…という勝ち誇ったようなおかしさを感じながら、
「うん。ちょっと用事があってさ。瞳さんこそ、着替えってまた白衣姿になることだったの?てっきり帰り支度かと思ったよ」
「!!…えっ、あっ、う、うん…(もぉ~、何でよりによってこんな時に隆志君が…どうしよぉ…)」
いきなりの意地悪な質問に、切り返す言葉も見つからないようである。
「…で、隆志君…どうかしたの?帰らなくていいの?」
明らかにバツが悪そうに、今日は早く帰って…と懇願しているかのようである。
「…うん。何だかまだ帰りたくなくてさ…」
実はこのとき、隆志の方もここまで来たものの、ここから先のきっかけが掴めない状況に、心の中で動揺していた。

その頃、魔界側からもう一つの魔界モニターでこの状況を見ていたシルクは、
「う~ん。やはりウブな学生さんを選ぶと、何かと苦労しますねぇ…ま、これも商売。仕方ないですねぇ、ちょっと応援しますかね」
と独り言を言いながら腰を上げ、スゥ~ッと壁から浮かび出るように瞳の背後、すなわち隆志と対面する位置に姿を現した。
「!?(シルク!?どうするつもりだ?)」
シルクはニヤリと隆志に妖しい笑みを投げかけると、そのまま閉まっているカーテンの中に溶け込んで行き、すぐにまた戻ってきて、なんと音も立てずにカーテンを開け始めた。
開いたカーテンの中には、瞳がバッグの中に詰めたはずの有紗の制服や下着が広げられていた。そして完全にカーテンが開かれた時、隆志の耳の奥の方でまるで伝心術のように、
「(頑張ってくださいよ)」
という言葉と、また例の妖しい笑みを投げかけながら、再びスゥ~ッと壁の中に消えていった。

「(おいおい!余計なことを!…でもこうなったら…)」
コホン…。隆志は高鳴る胸の鼓動を抑えようとわざとらしく咳払いをしながら、意を決して、
「瞳さん…もしかして、着替えてたってのはあれのこと?」
瞳の後ろを指さした。
瞳は慌てたように後ろを振り向くと、
「キャッ!キャァァァ!」
完全に隠したはずの絶対に見られてはいけないものが、何故か全てが曝け出されている状況に慌てふためいて、
「ちっ、違うのぉっ!キャッ、キャァァッ!」
両手を開いて隠そうとするが、もうどうしていいか分からなくなっている状態である。
「へぇ…瞳さん、コスプレ趣味なんかあったんだね。もう見ちゃったんだから隠さなくてもいいって」
「ダ、ダメッ!だから違うってば…」
「(こうなったら行くっきゃない!)…瞳さんの制服姿さ、写真に撮ってもいい?っていうかさ、撮りたいな」
「!!…エッ!?…な、なにを…(しゃ、写真って…夢の中で…隆志君が…私のことを…)」
「いいじゃん。二人しかいないんだし。それに早くしないと、制服の持ち主帰ってきちゃうんじゃないの?それって生徒の誰かのでしょ?瞳さんも撮られたいんじゃないかな~って思ってさ」
「(やだ…私…こんな恥ずかしいことなのに…まさか…期待してる!?)」
「何故か分からないけど、僕もそんな気になってるんだよね…撮られたいんでしょ?僕に」
「(あぁ…私…もう…ダメ…)…うっ、うん…」
遂に瞳から肯定の返事を勝ち得た隆志は、心の中で最大興奮と共にガッツポーズをしていた。

隆志はいつも持ち歩いているデジタルカメラをポケットから取り出して、
「じゃあ善(!?)は急げだからさ、持ち主が帰ってくる前に拝借して撮影しちゃおうよ」
「…(な、なんでこんな展開に…これじゃあ、あの夢と同じ…まさか正夢なんて…)…う、うん…でもやっぱり恥ずかしいよ」
気持ちはあっても現実行動に移るまでには、やはり羞恥心が邪魔をするらしい。じれったさを感じた隆志は、ここで一つの賭けに出た。
「何いってるの?これをずっと望んでたんでしょ?夢の中の出来事は全て瞳さんが望むことでしょう。制服も着たいし、下着の匂いも好き、僕にも変態的な自分を見てもらいたいんでしょ?オナニーしてるところも全て…」
「!?(どうして!?どうして隆志君がそのことを!?エッ!?…私の中で…どうしよう…イヤ…止められない…アァ…私…変態…隆志君に見られたい…いろんなこと…されたい…私…変態…)」
隆志の言葉に一瞬戸惑いを感じた瞳だが、直接投げつけられたその言葉のために、開花しかけていた新しい自我形成に拍車がかかったらしい。驚くべき暗示効果である。

「瞳さん、それでいいんだよね?」
一瞬の戸惑いから今は少しボーっとしている瞳に、再び声を掛けると、
「あ、…うん…隆志君がよければ…私、そうしてもらいたいみたい…」
「やっぱりね。そうじゃないかと思ってたんだよ。もっと早く言えばよかったのに。こっちは大歓迎なんだからさ」
「(もっと早く…あぁ、そうよね…何でもっと早く言わなかったんだろ…大歓迎って言ってくれているのに…)」
隆志の言葉にようやく安心を得た様子で、いつものにこやかな瞳に戻りかけている。
「じゃあ、早く着替えようよ。ところで、それって誰の制服なの?」
わざとらしい質問を投げかけてた。
「えっと…水野さん…隆志君知ってる?」
「あぁ、水泳部のね。知ってるよ。へぇ、彼女のなんだ。けっこう可愛いもんね、彼女。そっかぁ、美人の瞳さんの身体と可愛い水野の制服と下着かぁ…最高のコラボかもね。変態の瞳さんにはピッタリだよ」
「うん…(あぁ…私は変態…変態…)」
「帰ってきちゃうよ!早く今着ている物脱いで!」
隆志に催促されて、ハッと気付いたように自分の服を脱ぎ始めた。もうそこには以前の恥じらう乙女チックな瞳の姿は無く、隆志の前でならどこでも裸になれるかのようなM的変態性を顕わにした瞳の姿しかなかった。

(悪夢<第5話>に続く…。)

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妄想商会(7)~悪夢〈第3話〉~*特殊アイテム

その日の夜も、隆志は瞳の部屋に忍び込んでいた。
いや、昨日あれだけ“魔界の札”の効果が立証されたので、ドアに札を貼り付けた後は、忍び込むと言うよりも我が家に帰ってきたかのように堂々と入っていくことができた。入るとすぐに部屋の電気を全て付けた。これしきのことでは目覚めることがないということは、既に立証済みである。

瞳は今夜も、昨夜と同じようにTシャツ&ショートパンツ姿で寝入っていた。ただ、部屋干ししてある洗濯物の中に、昨夜のピンクのショーツがかかっているあたりに、リアルな時間の経過を感じる。
「瞳さん、今夜も夢の中にやってきたよ。さぁ、起き上がって目をあけてね」
瞳はその声にピクンと反応してゆっくりと目を開け、そして上体を起こしてきた。
「瞳さん、今夜も可愛いね。昨日の夜、瞳さんが僕にお願いしたこと覚えてる?覚えていたら大きな声で言ってみて」
「…隆志君、お願い!また瞳のふしだらな姿を見に来てね!お願いします!…」
「おお、よく覚えていたね。そのお願いを叶えに来たんだよ。嬉しい?」
「ハイッ♪」
「おお、にこやかな返事も覚えてくれていたんだね。さすがは頭のいい瞳さんだね。…さてと、じゃあさっそく昨日と同じようにパンツ一枚の姿になってもらおうかな。いいよね?」
「ハイッ♪」
明るい返事とともに、瞳は手際よくTシャツとショートパンツを脱ぎ取り、紺色の綿生地ショーツ一枚の姿になった。
「今日のパンツはいかにも部屋着って感じのパンツだね~。まぁ、今日の催しには丁度いいかもね。…って言うのはね、今日はちょっと着てもらいたいものがあってさ。とりあえず、いつも学校に行くときのようにメイクをして、ヘアースタイルも軽く整えてもらえるかな?」
「ハイッ♪」
にこやかに返事をして、瞳はリビングのローテーブルの下からメイクセットを取り出し、メイクを開始した。

待つことしばらく…。
瞳の身支度が終了したようである。昨夜は見れなかったが、こうしてメイクと髪型を整えた状態でショーツ一枚の姿…っていうのは、やたらにエロチックであり、もう既に隆志の股間は大きく張り詰めていた。
「やっぱり瞳さんは可愛いなぁ…。さぁ、では着替えてもらうのはこれだよ」
そう言って、隆志が持参したバッグの中から取り出したものは、なんと隆志の通う学校の女子の制服であった。それも新品ではなく、明らかに使い古した感がある代物である。なぜ彼がこんな物を持っているのか…それは彼が今日、新たな“いけないこと”をしでかしたからである。

隆志は今日のこの時の為に、瞳の体型とほぼ同じである同学年の水野有紗の制服を、彼女が水泳部の練習をしている間に部室に忍び込んで、失敬してきてしまったのである。水泳部の部室はプールに隣接してはいるが、構造的にプールから部室内は見えない作りになっている。また、部室の回りも木立が多いため、死角が多い。なので、比較的簡単に忍び込んで失敬することが出来た。
有紗もかなり可愛い方ではあるが、彼女をどうこうできるわけでもなく、目的が瞳のための衣装探し…であったため、服以外のものは残してきた。あれからきっと大騒ぎになり、彼女はジャージか何かで帰るしかなかったであろうが、証拠は何も残してきていないので、隆志を疑うことにはならないだろう。

「さぁ、さっそく着替えてもらえる?」
「ハイッ♪」
瞳は渡された水野有紗の制服を、これまた手際よく身に付け始めた。6年前までは彼女もこうして制服を着ていたんだろうな…そんな感慨を持ちながら、隆志は瞳の着替えシーンを、ビデオカメラに収めていた。濃い赤と茶色のチェックのミニスカートに、白のブラウス、そしてスカートと同じ柄のリボン…ソックスも揃っている。
「やっぱりこれも履き替えてもらおうかな。いいよね?」
そう言って手渡したのは、有紗が日中穿いていた白い綿生地でレースに縁取られたショーツである。かなり使い古した感があり、白だけに股間の汚れも目立っている。なにせ外からも少しだけ黄色くなってるのが確認できるくらいなのだ。その汚い使用済みパンツを瞳に手渡すと、彼女はなんの躊躇いもなく履き替えてしまった。
これで、女子高生・瞳の完成である。
元々少しロリっぽい顔立ちの為、全く違和感がない。制服を脱いでから6年が経過している瞳だが、今時はこれくらい大人びた女子高生がいても、全く不思議ではない。むしろ似合っている。隆志はあらためて瞳に惚れ直すくらいの感動を覚えていた。

「よく似合ってるね~。これは瞳さんが持っている願望を夢の中で見ているんだよね。そう思うでしょ?」
「ハイッ♪」
「自分が働いている学校の女子生徒の…それも使用済み下着まで穿き替えるなんて変態行為をずっとしてみたかったなんて思っているから、こんな夢を見てしまうんだよ。分かった?」
「ハイッ♪」
「でもね、瞳さんが心の奥底に押し込めていた願望は、こんなものじゃないんだよね。それをこれから時間をかけて解き放っていかなきゃ、いずれ自分が壊れてしまうと思っているから、こんな夢を見るんだ。そうでしょ?」
「ハイッ♪」
「じゃあさ、今夜は女子高生・瞳の写真集を撮り集めようね!」
「ハイッ♪」

隆志のデジカメの中には、無邪気でエロチックな瞳の痴態が次々と収められていく。
ベッドの上で大股開いて両膝を抱え込んでいる姿、直立姿勢での真下からの逆さ撮り、自ら汚れたパンツのフロント部の端を引き絞って左右の端から陰毛を覗かせている姿、女子高生らしく可愛げのある恥じらいポーズなどの正統派エロ画像から、雑誌を見ながら思い切り鼻をほじっていたり、柔軟性のある身体を活かして足先を鼻に近づけて足の匂いを嗅いでいる姿などの汚ギャルまがいの姿まで…。瞳は隆志のリクエストに全て快く応じていた。

「じゃあ、瞳さん、その水野有紗のパンツを脱いで、股の汚れの匂いを嗅ぎながら思いっきりオナニーしようよ。これはビデオで撮影するからね。しっかりと自分の教え子の股間の匂いでイキまくるんだよ。いいね?」
「ハイッ♪」
瞳はおもむろにパンツを脱いで、それを裏返し、そして目を閉じて鼻に押し付けながら、ベッドのヘリに寄りかかり両脚を大きく開いて、恥じらいもなくオナニーをし始めた。
「(うわ…瞳さん…ずいぶんと手馴れた手つきじゃないか。なんてエロい…もうこんなに濡れてきてるし…有紗もまさか今日盗まれた下着で瞳さんがオナニーしてるなんて、思いもよらないだろうな…)」
「ハウゥ…アッ…アゥゥン…ンァアァ……アッ、アッ、アウゥゥッ!!…」
どうやらイッてしまったようである。同時に撮影しながら自らの一物をしごいていた隆志も果てていた。
まさか、憧れの瞳さんのAVさながらのオナニー痴態を間近で見ながら射精ができるなど、これまで思いもよらなかった展開に、隆志も異常に興奮していた。

「瞳さん、よく撮れたよ。こんな夢を見るなんて、やっぱり瞳さんは変態だったってことを理解して意識し始めなきゃダメなんじゃないかな。僕は瞳さんの願望を夢の中で具現化する存在だからね。そのうち夢と現実の世界が重なってくる時期がくることを、よ~く感じておかないと自分が苦しくてたまらなくなることも分かっているよね?隆志君と変態生活がしたいし、自分の中の変態欲求も全て開放したい!…そう思っているからこんな夢を見ちゃうんだよ。いいね?」
「ハイッ♪」
「自分の教え子の汚れた服を身にまとって、こんなに楽しく気持ちのいいことができるってことをしっかりと自覚するんだよ。明日から女子生徒の衣服にイタズラしたくなる自分がいるってことをね」
「ハイッ♪」
「では、今日の変態授業はこの辺にしておこうね。また深~い眠りについてね」

瞳を元通りの姿に戻し、少し荒れた部屋も元通りに戻して、隆志は明日の瞳の行動に思いを馳せながら去っていった。


翌朝…。
瞳は気だるい疲労感を抱えたまま目覚めた。
「ンッ…ゥ~ン…ハァ…あー、何だかだるいなぁ…(もう…なんで2日も続けてあんな変態みたいな夢見るのよー。それも水野さんの下着で…あんなこと…それにいつも隆志君に見られ続けてるなんて…でも、なんであんなに感じてたんだろ…私、どうしちゃったの…)」
夢の内容は全て鮮明に思い出すことができる。水野有紗の制服と下着を身にまとって感じまくっていた自分、隆志が自分に伝えたメッセージなど、克明に覚えていた。覚えていただけではない…思い出すと身体の奥が熱くなってくるほどに、その時の快感まで蘇ってくるのだ。

「(私って…もしかして変態!?…っていうか、欲求不満なのかしら…)」
自分の心の中では大胆な発想が出来るものである。そんなことは決して人に公言できる言葉ではないが、二晩も続けて変態行動の夢を見てしまえば、欲求不満を疑ってしまうのも無理はないだろう。
「(朝だけど…ちょっとだけ…)」
そんな心の不満を少しでも解消しておいた方が良いと考えたのか、自らの意思でその行為をするのは久しぶりであったが、瞳は自分で片手をショーツの中に忍ばせて、オナニーに耽っていった。

何とも言えない気だるさを抱えたまま学校に着いた瞳は、廊下の向こう側から水泳部仲間と歩いてくる水野有紗とすれ違った。
「あ、瞳さん、おはようございまーす」
「!!…あ、あら、水野さん達…お、おはよう」
瞳は有紗を見た途端にうろたえた自分を、密かに恥じていた。昨夜の夢の中での出来事が鮮明に脳裏に残っているからである。
昨日制服や下着類を盗まれた当の有紗は、替えの制服を着てきており、昨日のハプニングなどなんのそのというような持ち前の明るさでいつもと変わらぬ生活ぶりである。
「(水野さん…あの制服を私が…あの下着の匂いで私ったら…あんな恥ずかしいことを…)」
瞳は通り過ぎていく有紗の後姿をまじまじと見つめながら、自分の中に複雑な心境の変化が起き始めていることを徐々に自覚していた。
「(…でも…なぜかしら…なんであの興奮をもう一度味わいたいなんて思ってしまうの!?…あぁ、あの制服をもう一度着たい…イヤ…なんでこんなことを思ってしまうの!?)」

妄想商会のシルクが今回隆志のために用意した“魔界の札”には、強力な暗示効果も備わっている。そのため隆志が仕掛けた夢の中での出来事は、徐々に瞳の深層心理の奥底に浸透していき、彼女の本質そのものになっていこうとしているのである。
隆志自身もその強力な暗示効果には後々気付くことになるのであるが、今確実に瞳の中では何かが変わろうとしていた。

昼休み…瞳が保健指導室で自前の弁当を食べ終わった頃、いつものように隆志が現れた。
「瞳さ~ん、いる?」
「!!…(エッ!あ、た、隆志君…)」
瞳は一瞬息を飲み込んでしまい、返事が出来なかった。無意識にも直感的に、隆志を男として…いや、性欲の対象として意識してしまったためである。
「なんだ、いるんじゃない。返事してくれないからいないかと思ったよ」
「ご、ごめんなさいね。まだ口の中に食べ物が入っていたから」
「あ、食事してたんだよね。ごめんなさい」
「う、ううん…大丈夫よ。隆志君は食事終えたの?」
「うん。いつも一人弁当だからね。早いもんだよ」
隆志の方は平然としながらも、明らかに動揺を表に出している瞳の反応を楽しんでいた。何せ、彼は今や瞳の痴態のほとんどを知り尽くしているのだから、それに全く気付かず、自分の中のふしだらな動揺を必死に隠そうとしている瞳の姿に興奮を覚えていた。

「(…やだ、どうしよう…何で隆志君を見るとこんなにドキドキしちゃうのよー…あの夢のせい!?夢の中に隆志君が出てくる前までは何ともなかったのに…私、何考えてるのよぉ…)」
「瞳さん、どうしたの?何か今日は様子が変だよ」
隆志はわざと意地悪な質問を浴びせてみた。
「!!…えっ!?、な、何ともないわよぉ…ちょっと疲れてるのかな…ハハ…(どうしよう…隆志君に夢の中の出来事を実際にしてもらいたいなんて思うなんて…)」
「ふうん、仕事大変そうだもんね。ちょっと肩でも揉んであげるよ」
そういうと、素早く瞳の背に回り肩を揉み始めた。
「ちょっ!ちょっと…い、いいわよ、大丈夫だからっ」
「いいって、いいって。疲れてる時くらい遠慮しちゃダメだよ。いつもこっちが癒されているんだからさ」
そう言って、揉む力を少し強めていく。瞳の方も観念したらしく、首を少し前に倒し、隆志に自分の肩を任せるような状態になっていった。
「(エーン…どうしよう、すごくドキドキするし…やだ…下の方が…熱くなってきちゃってる…)」
隆志には、落ち着いた姿勢を装っていながらも激しさを増していく瞳の心臓の鼓動が、手を介して感じ取れるような感覚を味わっていた。
「(フフ…もう少しだな…)」
瞳の中で何かが変わってきている…確実にそれを感じ取っていたのである。

(悪夢〈第4話)に続く…。)

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妄想商会(6)~悪夢〈第2話〉~*特殊アイテム

都内私立高校に2学年として在学している相馬隆志が、同じ学内で保健士として在籍している高松瞳の一人暮らしのマンションに、ロッカー荒らしで入手した部屋の合鍵を使用して夜這いのように侵入してから、まださほど時間は経過していない。しかし当の隆志には、自分が落ち着いてきたのを認識するまで、ずいぶんと長い時間に感じられた。

寝入っている瞳の身体を色々と触診してみて起きないことを確認した後は、昨日妄想商会のシルクから受け取り、今は瞳の部屋の玄関ドアに貼り付けてある“魔界の札”なるものの効果を確認しなくてはならない。
しかし、それにはやはりかなりの勇気がいる。なにせ、その札の効果を試すには、瞳に声を掛けなくてはならないのだ。もし万が一、今の無反応状態が単なるいつもの熟睡であり、声を掛けたことによって普通に目覚めたらどうなってしまうのか…。様々なマイナス方面への可能性が、頭の中を過ぎっていく。退学、警察、変態、家族、新聞…様々なキーワードが連鎖的に浮かび上がる。しかし、ここまで来て何も試さず帰るのも、あまりにも不甲斐ない。

元来小心者の隆志は、リビングと玄関とを仕切るガラス戸の影に隠れるような形で、万が一…のマイナス現象に対して即座に逃げ出す構えを整え喉がカラカラに渇いているのを感じながらも、ゴクリ…と生唾を飲み込んで、そして勇気を振り絞り、
「ひ、瞳さん…き、聞こえますか?聞こえてたら手を上げてください」
何ともお腹に力の入らない声で呼びかけてみた、すると…おもむろに彼女の手が高々と上がった。
用心深い隆志は尚も、しかし今度はやや普通に戻った声で、
「瞳さん…次は片脚も上げてください」
するとやはり横向きで寝ている彼女の片脚が、高々と上がるではないか。

「(これはいける!)」
隆志はこの時点でようやく納得のいく反応を得て、狂喜と興奮が一気に急上昇してくるのを感じていた。
いくら日頃隆志に心を許している瞳であっても、自宅住所も教えていないはずの一生徒が自分の最もプライベーとな空間に、それも熟睡中に侵入してきたのに、平気でリクエストに応えるはずなどないのだから、これは完全にあの札の効果と見ていいのであろう。

隆志は隠れるのを止め、今度は堂々と部屋の明かりまで付けてしまった。さっきまでのモノクロに近い世界が、一気にカラフルな世界になる。瞳の部屋は、全体的にイエロー&オレンジ系の暖色でまとめられており、彼女の温和で明るい性格を表現しているかのようである。そして隆志は寝室横のリビングにあるカウチソファに腰を下ろして、
「瞳さん、起き上がりましょう」
この声に反応した瞳は、寝そべっていた状態からムクリと上半身を起こしてきた。寝ていたのでヘアスタイルが少しボサボサになっており、まだ目も閉じている状態である。
「(いいぞ!いいぞ!)…瞳さん、この声の主…誰だか分かりますか?」
「…隆志…君…」
寝ぼけている時のような力のない声であるが、ハッキリと声の主を認識しているらしい。
「そうですよ。瞳さんは夢の中で、僕の声を聞いているんです。それに、僕のリクエストには夢の中だけど、全部応えてあげなきゃって思っているんですよね?」
コクリ…と瞳が頷いた。
「(ますますいいじゃないか!)…じゃあ、瞳さん。今夜は暑いですから、パンティ一枚の姿になっちゃいましょう」
いきなりダイレクトな要求を出したにもかかわらず、瞳は目を閉じたままTシャツから脱ぎ始めた。
一人暮らしの寝巻き代わりのTシャツ姿である。だから当然ブラジャーなんて窮屈で付けているはずもない。Tシャツを脱いでしまうと、小振りだけど形のいいオッパイが隆志の目に飛び込んできた。
「(おおおおおおっ!…ゴクリ…)」
心の中で声にならない歓喜の雄叫びを上げながら、またしても生唾を飲み込んだ。

瞳はそんな隆志の様子などお構いなしに、さっさとショートパンツも脱いでしまい、ピンクのナイロン生地にレースがあしらわれた可愛らしいショーツ一枚の姿になってしまった。
「(うわぁ…これが…ずっと想像しつづけた瞳さんの裸…)…じゃあ、瞳さん。ここは夢の中の世界だからね。歩き回るのには目を閉じてちゃ危ないから、目を開いてみようか。僕のことも見えるけど、夢の中だからね。気にしなくていいんだよ」
かなり大胆なリクエストである。普通は睡眠時から“目を開く”ことを目覚めるというのだろう。果たして瞳が自分で目を開いたら、それでもまだ夢の中と錯覚できるのであろうか。しかし、今の隆志は、これだけの奇跡を目の当たりにし、その可能性に十分な確信を持っていた。

すると、瞳はすうっと自ら目を開いた。瞬間、隆志と目が合う…しかし、隆志を見ても無反応なのだ。まるで置物の隆志像でも見ているかのように、驚きもしなければ、笑顔になるわけでもない。表情については“目を開けるだけ”としか指示を与えていないので、この反応は正しいということに気付くのに、さほど時間を必要としなかった。

「じゃあ、瞳さん。今日の夢の中でまずすることは、瞳さんの日常の姿を僕がこのビデオで撮影することだよ。監督は僕。僕の言うがままの生活振りをちゃんと演じてね。黙っていてもつまらないから、了解の時には“ハイ”と“にこやかに”返事してね」
「ハイ♪」
「(おお!やっぱり可愛い!)…そうそう、その調子でね。じゃあ、まずはこのソファに腰掛けて、テレビ観ようか。ただし、両脚はだらしなくそして大きく開いたままでね。で、撮影開始してから僕がこの指を立てたら、右手をパンツの中に突っ込んで陰毛の辺りをボリボリ掻き続けるんだよ。で、もう一本立てたら左手の指で、鼻をほじること。しっかりと深くまでほじるんだよ。いい?」
「ハイ♪」
「映画のタイトルは…そうだな“だらしなく不潔な瞳の日常”にしよう。いいタイトルでしょ?」
「ハイ♪」
いよいよ変態的な撮影が始ろうとしていた。しかし、なぜこんなことをするのか…パンツ一枚の瞳の姿を見て、何故その身体に手を付けようとしないのか…この不可解な行動には、隆志なりの作戦があった。
今は、その作戦の緒戦段階である。

ジ~…自慢のデジタルビデオカメラが回り始めて、ファインダーの中にはピンクのパンツ一枚の姿でソファに腰を下ろし、だらしなく脚を開いて投げ出している瞳の姿が収められていく。カメラは色々に角度を変えたり、寄ったり離れたりを繰り返し、瞳の全身の隅々まで映し出している。
数分後、隆志の手の指が一本立てられた。すると、打ち合わせ通りに瞳の右手が動き、パンツの中に無造作に突っ込まれ、ボリボリと陰毛の辺りを掻き毟る音が響き始めた。続いてもう一本の指が立てられると、今度は彼女の左手が動き、人差し指を鼻の穴に深く押し込み、鼻の外からでも指の動きが分かるくらいに動かし始めた。

今、カメラの中には実際にはあり得ないと思われる光景が、次々と収められている。実際の瞳の生活振りを見たことがあるわけではないが、まさかここまでふしだらな行動は、日頃の可憐な瞳からは考えられることではない。ソファにだらしなく座り、澄ました顔でテレビを見ながら、片手で陰毛を掻き毟り、片手で鼻をほじっているのだ。男でもなかなかしないことであろう。

「オッケー!いい画が撮れてるよ。じゃあ、次はお風呂に入ろうか。設定はこうだよ。…………。わかった?」
「ハイ♪」
何やら細かい動作設定や台詞やらを覚え込ませ、撮影場所を風呂場付近に移して、そして再びカメラが回り始めた。最初は脱衣場での脱衣シーンからである。瞳が一人で身に付けていた最後の一枚であるピンクのショーツを脱ぎ始め、
「は~ぁ、今日も疲れたぁ…」
覚えさせられた台詞をしゃべり始め、脱いだショーツを裏返したかと思うと、おもむろに股間部分の裏地を自らの鼻に押し付けて、その匂いを嗅ぎ始めた。
「くっさぁ~い!」
一言言い残し、そのショーツを持ったまま風呂場に入りシャワーからお湯を出すと、カメラの方を向いたまま股間を大きく開いた状態でしゃがみ込んだ。

「(うわぁ…瞳さんのオ○ンコ丸見えだ…なんていやらしい…けっこう毛がぼうぼうじゃないか…)」
股間の一物をビンビンにそそり立たせたまま、隆志の撮影は続く。瞳はそのままの姿勢で股間にシャワーを当て始めたと同時に、持っていたショーツをタオル代わりに、股間をゴシゴシ洗い始めた。
「ふぅ、こうやってパンツで洗うと、洗濯も同時に済んじゃうから楽なのよね♪今は彼氏もいないし、こするのはこのオ○ンコとオケツの穴だけで十分♪後は面倒だからシャワーで流すだけでオッケーだもんね♪」
ずいぶんな長台詞をにこやかにこなしていた。

隆志は満面の笑みである。普段の瞳なら几帳面に片付けられている部屋の状態から見ても、決してこんなだらしないことなどしないだろうし、ましてや可憐でおしとやかな24歳の女性が、“オ○ンコ”やら“オケツの穴”などという卑猥な言葉を日常的に発するはずもない。
しかし、その非現実的な日常が、現実的な日常として映像化されているのだ。もしもこの映像を瞳のことを全く知らない者が見たら、“なんてだらしない女”と認識してしまうだろうと思われるほど、自然に撮れてしまっているのだ。

しかし、隆志は何でこんなことをしているのだろうか…。その意図は、シルクから聞いた解説の中から生まれてきたものである。
“夢の中で行動したり、見たことは全て記憶の中に残っている”…これがヒントである。隆志は何夜かに分けて瞳に変態的且つ淫乱な行動や言動をさせて、夢の中ではなく覚醒している状態の中で、自分の夢を基に、本来ありもしなかった自分の変態性や淫乱性を認識させ、現実世界の中でそれを実現させたいと考えているのだ。なので今日の夢の中での目的では、自分の意外性に驚く…というところまで持っていければいいのである。決して焦らず、慎重且つ確実に瞳を変えてやろう…隆志はそう決めているのだ。

「よ~し!次はお風呂上りにさっきのソファで、裸のまま映画でも見よう。設定は…………。いいね?」
「ハイ♪」
瞳は風呂上りの濡れた身体をよく拭き取ってからリビングのカウチソファに戻り、全裸のままソファに寝転んで、お気に入りのDVDを見始めた。それも、片脚は背もたれの上に乗せられているので、大事な部分丸出しの格好で…である。ここでカメラが回り始めた。
しばらくして…、
「あー、オシッコしたくなっちゃった…いいところなのにぃ…トイレ行くのめんどくさいなぁ…!!…そうだわ、ここでいいや♪」
そう言って、瞳はソファの横に置いてあった背丈の低い観葉植物の大鉢を跨いで、映画の画面から目を離さないようにしながら、軽く腰を落とした…次の瞬間、

シャ~…

大鉢からはみ出さないようにと、少し勢いを抑えられた金色の液体が瞳の股間から放たれ、観葉植物の葉から茎にかけてつたい落ち、土を濡らし、そして底の水受けに溜まり始めた。
「(うわぁ…瞳さんのオシッコ姿!最高!…へぇ…女性のオシッコってこんなところから出るのか…)」
かなりの接写でカメラを構え、画面一杯一杯に瞳の性器を映し出して、隆志は感動すら覚えていた。

「ハイ!♪植物さんにも肥料になるし、これで一石二鳥っと♪」
瞳は設定通りの陽気さで、にこやかに放尿を終えた。さっきまでもそうだが、その全てを隆志監督によって撮影されているという“夢の中の事実”を記憶に刻み込みながら…。

その後も真っ裸のまま携帯で話をしながら、自分の足の指を鼻に近づけて匂いを嗅いでるシーンや、鏡の前で自ら鼻の先端を持ち上げて、ブタ鼻にした状態での鼻毛カットをしているシーンなど、本来の瞳であれば絶対にやるはずもなく、むしろ嫌悪するような日常習慣シーンを次々と収録していった。
「よ~し、瞳さん。今日の撮影はこれで終了するね。ところで今日瞳さんを撮影したのは誰?」
「…隆志君…」
「そうだよね。で、また僕に夢の中に出てきてもらいたいと思ってるんだよね?」
「…ウン…」
「じゃあさ、…………。この台詞を僕がもういいよって言うまで、心を込めてお願いするように復唱しつづけてね。ハイ、どうぞ!」
「…隆志君、お願い!また瞳のふしだらな姿を見に来てね!お願いします…隆志君、お願い!また瞳のふしだらな姿を見に来てね!お願いします…隆志君、お願い!また瞳のふしだらな姿を見に来てね!お願いします………………」
隆志は、この同じ台詞を彼女に20回ほど繰り返させた。その言葉をしっかりと彼女の記憶の中に刻み込んでおくのが目的だからである。


夜が明けて…瞳は不思議な感覚で目覚めた。
「(どうしよぉ…すごい夢見ちゃった…なんで隆志君が私の夢の中に…それもあんな恥ずかしい内容の夢なんて…それに、こんなに全部覚えてる夢なんて…)」
途端に、瞳はまだ身にまとわり付いていたタオルケットを引き剥がした。…ちゃんとTシャツもショートパンツも穿いているし、ショートパンツをめくってみると、昨夜穿いて寝たピンクのショーツもそのままである。次に、恐る恐るソファの横の観葉植物を覗き込んでみた。…特に異常はない。少しほっとしていた。
夢の中では、確かにここで立ったまま股を開いて放尿し、底の水受け皿には黄金色の尿が溜まっていたはずなのである。確かにそれは覚えているのだ。

彼女は知る由もないが、隆志は全ての撮影が終わった後彼女に目を閉じて寝付くように指示を出し、忍び込んだ時のように触っても意識がない状態にさせておいてから、風呂場で濡れたショーツは乾燥機で乾かし、水受け皿に溜まった尿も全て洗い流すなど、夢の中で行った痕跡は全て排除してから立ち去ったのだ。

「(疲れてるのかなぁ…あぁ…それにしても…あんな恥ずかしい仕草ばかりを喜んで隆志君に見せていたなんて…私、何を考えているの!)」
目を瞑り、自分を叱るように首を左右に振る。

瞳が学校に着くと、まるで偶然に校門で隆志と出合った。(隆志が待ち伏せしていたのだが…)
「瞳さ~ん、おはよう!」
「あ、…た、隆志君…お、おはよう…(やだっ!何だか恥ずかしい…)」
「あれ?瞳さん、どうかした?」
「う、ううん…ハハッ、別にどうもしないわよぉ」
「ふうん、何かあったの?」
「う~ん、変な夢見て、ちょっと疲れてただけ…かな」
「変な夢って?怖い夢かなんか?」
瞳はあらためてそう聞かれて、ドキリとした。あまり考えないようにしていたのだが、隆志の質問によって一瞬にして、あの破廉恥極まりない内容の夢が頭の中でフィードバックしてきたのだ。瞳は夢の中で自分の破廉恥行為の全てを見ていた隆志が、現実に今目の前にいるという事実に赤面し、
「う、ううん…仕事の夢よ。だから大丈夫…ごめんね、ちょっと急ぐから…」
そう言って、急ぎ早に立ち去ってしまった。
瞳を見送る隆志の顔には、緒戦勝利の笑みが浮かび上がっていることに、瞳は全く気付いていなかった。

(悪夢〈第3話〉に続く…。)

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妄想商会(5)~悪夢〈第1話〉~*特殊アイテム

夏空に広がる夕焼けを背景に背負いながら、都内の私立高校に2学年として通っている相馬隆志は、陰鬱な表情で家路を歩いていた。いや…陰鬱と言うよりは、わき目も振らずに一心に何かを考えているかのような、真剣な表情と言った方が合っているようである。
現に隆志は、今ポケットの中にあるものを握り締め、真剣に考えていた。そのポケットの中で握り締めている物とは、一個の鍵である。彼は、この鍵の使用方法について思い悩んでいるのだ。

その鍵は、隆志が通う学校で保健指導を行っており、彼がずっと以前から思いを寄せている、高松瞳の自宅マンションの鍵なのである。
何故隆志が瞳の自宅マンションの鍵を今持っているのか…。厳密に言えば、これは合鍵である。いけないことではあるが、昨日、隆志はついに職員用のロッカー室に侵入し、瞳のロッカー内に収納されていたバッグの中から自宅の鍵を拝借して、その足ですぐに学校の側の合鍵屋に走ったのである。
一時の衝動と激しい興奮状態の中で、ほぼ我を忘れた行動ではあったが、今確実に彼の手元には、その合鍵が残っていた。その事実を知る者は誰もいない。彼だけが知っている…そして持っている事実である。

隆志は頭の中を駆け巡る、様々な妄想と自己抑制の狭間で思い悩んでいたのだ。この鍵を使えばいつでも憧れの高松先生の部屋に入れる!彼女は一人暮らしだということは知っているし、やろうと思えば、襲うことも出来る!…しかし…それをやるだけの度胸が自分にはあるのか…いや…やった後に起こる騒動に、自分はどう対処すればいいのか…でも…でも…彼女の私生活の中に入り込みたい!…こんな思いが彼の頭を混乱させ、傍目で見れば陰鬱な表情で歩いているように見えていたのである。

しばらくして…ふと気が付くと、隆志は見慣れないそしていつもは絶対に入り込まないような路地に入り込み、一枚の錆び付いたドアの前に立っていた。
何故こんな所に入り込んできたのか、何故このドアの前に立っているのか…それは隆志にも分からないが、自分がこのドアを開けようとしている、そして開けたがっていることに気付いていた。このドアを開ければその先に、自分を満たしてくれる何かがあると確信して…。

ギィ…。錆びた音でそのドアが開く。
隆志はその先の薄暗い部屋の中に入って行った。
「いらっしゃいませ。相馬隆志さん…ですね?お待ちしていました」
黒マントに包まれ、妖しげな笑みを浮かべる男が話し掛けてきた。
「私は妄想商会のシルク…と申します。以後お見知り置きを…」

隆志はこの異様な出で立ちの男の出現に一瞬狼狽したが、
「ここは何なのですか?それに、何で僕のことを知っているんですか?」
黒マントのシルクは尚も妖しげな笑みのまま、隆志をさらに仰天させるような言葉を発した。
「隆志さん、あなた、その合鍵をどうするつもりですか?」
「!?…な、なんでそれを…」
「ああ、驚かせてすみませんね。少し私の話をしましょう。私は魔界と人間界を行き来する商人です。そんな生業をしているので、あなた方が隠したいと思っていることや、考えていることを見透かすくらいのことは、私にとってはごく簡単なことなのですよ」
「ま、魔界!?」
「ええ、あなたがここに何故来れたのか…。それは私が呼んだのです。…というより、あなたの持っている強い歪んだ欲望の念が、あなたのことを私に気付かせた…と言った方が正解でしょうね」
「ゆ、歪んだ欲望…って…」
「そう、あなたの頭の中は、昨日から勉強など手に付かないほど思い悩んでいましたねぇ。私はその念に反応するんですよ。先ほども言いましたが、私は魔界と人間界を往来する、貿易商人です。私はあなたに、あなたの欲望満たすことのできる品物を提供します。その代価は、人間界の通貨では意味がありません。そう…あなたの欲望エネルギーです」
「欲望エネルギー…」隆志は、シルクを凝視したまま、彼の話に聞き入っている。
「そう、あなたがあなたの中で沸沸と煮えたぎっている淫欲な欲望を満たす時、私の手元にあなたから放たれた欲望エネルギーが集まってきます。私は、それを魔界で売り歩く商人なのです。よく売れるんですよ、人間の歪んだ欲望カプセルっていうのは。魔界人にとってのタバコみたいなものですねぇ」

それからしばらく、隆志とシルクの密談が続いた。
その中で、隆志は徐々にシルクの話に妖しげな信憑性と期待を感じ始めたのか、自分の中の歪んだ欲望を、洗いざらい話せたようである。
程なくして、シルクは隆志の思いを汲み取ったかのような頷きを見せて、
「わかりました。では…少しだけ待っていてください」
そう言って更に置くの暗がりへと消えていった。
待つことしばらく…、
「お待たせしました。ではこれをお持ちくださいな」
そう言う彼の手の平には、一枚の札が載せられていた。何やら文字が書かれているようだが、見たことも無い文字で、読み取ることは出来ない。

「これは?」
「これを、深夜彼女が寝入った後に、彼女の玄関のドアに貼り付けてから、その鍵でお入りください。この札がかかっている以上、彼女が目を覚ますことはありません。いえ、ただ眠っているのではなく、夢遊病…っていうのは聞いたことがありますね?そんな状態になります。この札の持ち主…そう、隆志さん、あなたの声だけに反応し、その要求通りに行動するようになります」
「ほ、本当に!?…でも、その後は…ど、どうなるんですか?」
「彼女にとって、全ては夢の中での出来事です。何が起きようと、誰のことも責めることは出来ません。全て自分が勝手に見た夢なのですから。あなたは夢の中で知っている人に酷いことされて、後日その人を責めることができますか?」
「い、いえ…できないです」
「同じことです。彼女は全ての出来事を記憶しているでしょう。しかしそれは夢の記憶なのです。その後の彼女の反応は…そうですねぇ、彼女次第…でしょうねぇ。まぁ、他人が部屋に侵入していたという痕跡さえ残さなければ、彼女は誰のことも疑うことや、責めることはできませんね。あなたが帰るとき、この札を剥がして下さい。この札は、繰り返し何度でも使えますよ。ただし、彼女にだけ…ですけどね」

シルクの店を後にした隆志のポケットには、瞳の家の合鍵と、先ほどの魔界の札がしっかりと納められていた。心なしか、その足どりも先ほどとは打って変わって、軽やかになっているようである。

次の日の昼休み…隆志はいつものように保健指導室に立ち寄っていた。当然ながら、学校専属保健士である高松瞳に会うためである。

隆志が通う学校には、保健室の他に“保健指導室”なるものがあり、そこには専属の保健士が配置され、保健室業務と連携を取りながら、生徒の保健衛生的指導を担当している。
高松瞳は、隆志が入学した年に新卒採用で赴任してきた為、今年で24歳になる。保健士志望という傾向からもイメージできるように、若いながらも包容力に溢れた温和な性格で、女子生徒達からも「ひとみー」と親しみを込めた呼び捨て呼称で呼ばれているくらい、良きお姉さん的存在となっている。
容姿も優しい顔立ちの美形で、美人と言うよりは少しだけロリっぽい顔立ちから、可愛い…という表現の方が似合っている。
学生時代は水泳部に所属し、どうやら部内でもアイドル的存在だったらしい。体型的にはスレンダーというよりはぽっちゃり体型に近い平均的肉付きで、胸も少々小振りではあるが、柔らかそうな形状をしっかりと持ち合わせている。24歳でこの体型だと、きっとおじさま教師達にも可愛がられているだろうと、容易に想像できる。

隆志は昨年の入学当初から、その内向的性格からか周囲のクラスメイト達との交わりを避けるところがあり、当然イジメ対象になるのであろうが、この学内では幸か不幸か陰湿なイジメ…というものに出くわすことがなかった。私立進学校ということから、その辺で少し冷めた人間関係が影響しているからかもしれない。そのかわり、イジメられるというよりは、全く相手にされない…と言った方がよいであろう。
とにかく当時の隆志は孤独であった。(その状況は基本的に今も変わっていないのだが…)
瞳の方も、入りたての新人よろしく、教師陣や職員陣にも気を使う一方の立場だったので、孤独回避の為に何となく保健指導室に入り込んできた隆志と親しくなるのは、必然だったかもしれない。

あれから一年ちょっとが経過し、今では昼休みなどを利用して、気軽に保健指導室に出入りしている隆志なのである。
「瞳さん、いる?」
「あ、隆志君。お昼ご飯ちゃんと食べた?」
「うん、相変わらずの一人飯だけど、おなかいっぱいだよ」
「その相変わらずの内向的な性格がもう少し緩やかになると、学園生活ももっと楽しくなると思うんだけどなぁ…」
「そうだけどさ…、でも瞳さんがいてくれるから、けっこう寂しくないんだよ」
「あらっ、嬉しいこと言ってくれるのね!お礼に、内緒でこのチョコあげるねっ」
こんな気軽な会話だけで、これまでは十分に幸せを感じていた隆志だが、そこはやはり成長期の高校2年生である。抑えきれない性的欲求に苛まれ、日々悶々としたオナニーのオカズに、いつの間にか瞳が登場してくる機会が多くなり、遂には職員用ロッカー侵入…などという暴挙に出てしまったほど、瞳への鬱屈した欲求が高まっていた。

「でもさ、瞳さんも一人暮らしで寂しくないの?」
「ん~…、今は仕事に追われてるしね~。帰ってからだって、保健新聞の原稿書かなきゃならないし…寂しいなんて言ってる場合じゃないのよぉ~」
「大変なんだね。それじゃあ、いつも寝る時間も無いんじゃない?何時くらいに寝てるの?」
気軽な会話の中にも、徐々に隆志の企みへのリサーチが含まれ始めてきている。
「そうだなぁ…。今は夜中の12時くらいになっちゃうかしら。それでも6時には起きて身支度しなきゃならないし…ハァ、寝たりないヮ」
「(よしよし、決行は今夜0時過ぎ…っと)じゃあさ、彼氏にも会う時間ないんじゃない?」
「隆志君…キツイこと聞くわね~。学生時代はいたけどね、この学校に入ってからは出会いなんてないんだもんね~。困っちゃうヮ」
「あっと、変なこと聞いちゃったね。ごめんなさい」
「いいのよ~。お互い寂しい者同士、慰め合いましょっ」
瞳の冗談めいたこの返答に、
「(うんうん、しっかりと僕の慰み者になってくださいね!瞳さんっ!)」
心の中の歪んだ企みを笑顔で隠し、隆志はコクリと頷いてみせた。


その日の夜…。
隆志は11時30分頃に瞳の部屋が望める路地を、一人うろついていた。ここで不審者として通報されでもしたら元も子もないので、その辺りは慎重に間を計りながら、彼女の部屋の明かりが消えるのを待ち望んでいた。もっとも、もっと確実に寝ているだろうと思われる時間に出てくればいい話なのだが、はやる気持ちを抑えきれなかったのである。

瞳のマンションは、隆志の家から自転車で移動可能な距離の駅から、そう遠くない場所にある。ここの住所は、既にロッカー荒らしをした際に入手済みで、パソコンの地図検索でしっかりと特定できていたので、難なく来ることが出来た。一つだけ不安であったマンション入口のセキュリティ体制も、まだ瞳の稼ぎではそこまでしっかりしたマンションには住めないようで、深夜には管理人も不在らしく、普通に入口を通過することができる。ただ、女性の一人暮らしも見越して建てられたようで、一階部分は事務所やらクリニックが入っており、2階以上が住居になっている造りのマンションである。瞳の部屋は、そこの3階の角部屋であった。

やがて…午前0時を少し前にして、瞳の部屋の明かりが消えた。
しかし、さすがにすぐには寝入らないだろうからと、隆志は駅前の漫画喫茶に入り、1時間ほど時間を潰して、午前1時頃に再び瞳のマンションに戻った。そして、今度は急ぎ早に目指す3階まで上がり、角部屋なので間違えることもないであろうが、今一度部屋番号を確認して、大きく一度深呼吸をした。

ポケットから例の“魔界の札”を取り出してみたものの、まだ一度も実験などした訳でもなく、シルクの話を一度は信じたものの、やはりいざとなってみると、かなりの不安が過ぎるのも無理はないであろう。なにせ、もし万が一部屋に侵入した際、瞳がまだ起きていたりしたら一大事である。こんな犯罪的行動を、彼女が許してくれるものだろうか…。もし警察沙汰になったら…そんな様々な不安要素が一気に浮上してきたが、はやり溜まりに溜まった爆発寸前の欲望を押し留めることはできなかった。そうなったらなったときに考えよう…そう腹をくくり、手に握っていた札をドアに貼り付け、合鍵を差し入れて…そして回した。

ガチャリ…。

果たして、鍵の外れる音がハッキリと聞き取れた。
ゴクリ…生唾を飲み込む音までが、やけに耳の奥に響いてくるのを感じながら、そーっとドアを開けると、フワッと女性の部屋特有の甘い香りと表現すればよいのだろうか、とにかく隆志の鼻腔の奥から官能を刺激する芳しい香りが漂ってきた。

隆志は息を殺して部屋の奥へと足を踏み入れていった。
玄関から入って正面のガラス戸を開くとリビングがあり、そのまま部屋つながりで隣がベッドルームになっている間取りであった。リビングに入ると、静まり返った部屋内に、かすかに瞳の可愛らしい寝息が聞こえてきた。
「(よかった…。寝ていた…。)」
隆志は少しだけ胸を撫で下ろすように、気を楽にすることを得た。とりあえずは第一関門突破である。
少し落ち着いた目で寝ている瞳の方を見やると、暗がりなので色ははっきりとしないが、もう夏でもあるので、ショートパンツにTシャツという部屋着姿で、横向きでタオルケットを抱き枕のように脚に挟んで抱き抱えて寝入っている瞳の寝姿があった。

若き多感な年頃の隆志には、憧れの瞳のこの姿だけでも十分に官能的なのだが、勇気を出してそっと彼女に接近していった。
寝ている瞳の側までにじり寄り、そっと寝顔を覗き込む。やはり寝顔も可愛い…真剣にそう思った。リラックスできるプライベートスペースにいるのだから、当然のごとくスッピンなのだが、もともと化粧が濃い方ではない。スッピンでも少しだけまゆ毛が薄くなっているな…と感じる程度で、スッピンが彼女の可愛らしい美貌を損なう要素には決してなっていない。

そっと指先で彼女の頬を突付いてみた。…反応なし。
続いて軽く髪の毛を撫で上げてみた。…反応なし。
さらに勇気を出して、ショートパンツから見えている太ももから、ショートパンツ越しのオシリにかけて撫でてみた。…反応なし。
ちょっと大胆になって、敏感な唇や鼻先の辺りを指先で触ってみた。…反応なし。

ここでようやくに、瞳が完全に寝入っていることが確認できて、隆志もリラックスを感じることが出来た。
後はあの札の効果を試すのみである。
果たして、この爆睡状態はあの札の効果なのか、それともただ単に眠りが深いだけなのか…。

(悪夢〈第2話〉に続く…。)

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妄想商会(4)~バースデープレゼント〈第4話)~*特殊アイテム

玲子を風呂場に残し一人先に上がってきた真一は、誰もいないはずの部屋にシルクが立たずんでいたことに仰天して大声を出しそうになるを、そこは玲子に気付かれないように堪えながら、
「お、おいーっ、何でここにいるんだよっ。っていうか、どうやって入ってきたんだよっ」
「あ、どうもどうも。一応私も魔界と人間界を行き来している者なので、壁をすり抜けることくらい簡単なんですよ」
シルクの方は悪びれる様子もなく、にこやかに返事をしてきた。

「真一さん、どうやら順調に進んでいるようで何よりですよ。あなたの欲望エネルギーも、魔界では結構な値で取引されてますので、私としても嬉しいところです。で、今回の商品は喜んでいただけましたか?」
「あ、ああ。それには感謝してるよ。最高の商品だ」
「それはどうも。あ、今日お邪魔したのはですね、あの商品の後始末の仕方をお話しし忘れていましたので、それをお話ししておこうと思いましてね」
「後始末?」
「ええ。まぁ、真一さんが今後一生彼女とこのままの生活を続けるのであれば、生涯使用も可能で、私としては長期的にあなたの欲望エネルギーが頂けて嬉しい限りですが、そうでない場合もありますでしょう」
「ま、まぁ…な。そんな先のことまでは考えてもいなかったけど」
「もしも彼女とのこの関係を終わらせたい時は、例の箱を再び開けて、もう終わりにすることを念じてください。そうすれば、この関係をリセットできますよ。ただし、彼女がこの部屋にいない時の方がいいですねぇ。彼女が我に帰ったときには、それまでの異常な出来事のことは忘れていますが、その場合尚の事、この部屋にいることが不自然になってきますからね」
「そ、そりゃそうだな」
「そして、その時点で私とあなたとの、今回の提携は終了いたします。この提携に関して、私とあなたがお会いするのもこれが最後かと思います。ただし、あなたの名前は顧客リストに載っておりますので、またいい欲望エネルギーが生まれてきたら、お会いすることもあるかもしれませんね。では、そろそろ彼女も出てくる頃でしょうから。ごきげんよう…」
そう言って、シルクの姿は霧が霧散するように消えていった。

シルクが消えるのとほぼ同時に、玲子が上がってきた。
「あら?ご主人様、まだ裸のままでいらしたのですか?」
「あ、あぁ。熱かったからな。玲子はさっさと制服に着替えるんだぞ」
「はい。かしこまりました」
玲子の返事の仕方は、一流奴隷を目指しているためか慣れと共に急速に進歩してきている。

「そういえば、玲子はまだ食事を取っていないだろう。着替えたら、今日は手っ取り早く冷凍庫のピザを解凍するように。ついでに食事の作法も教えるからな」
「はい。かしこまりました。一生懸命にお作法を身に付けます」
玲子は全身の水気を拭き終えると、素早く用意されていた制服に身を包んだ。ただ…身を包むと言っても、股間に大きな縦切り込みが入った綿の股割れイチゴロリパンツに、飼い犬用の赤い首輪、メイド用の円形フリルエプロン、メイドキャップ…という出で立ちでは、身を包んでいる面積があまりにも小さすぎるのだが…。

玲子の制服姿を見た真一は、昼間のスーツ姿の玲子とのあまりにも大きなギャップに、予想以上の大きな興奮を覚えていた。完全に征服したのだ…この思いがその興奮に強力な拍車をかけている。
玲子はその姿のまま冷凍ピザの解凍作業に入っていた。
キッチンに向かっている玲子を後ろから見ると、イチゴのロリパンしか身に付けていないかのように見える。そして、腰下の棚からお皿を取ろうと屈みこんだ時には、そのパンツが中央から左右に大きく分かれ、代わりに玲子の秘所が顔を出す…。助平文化を受け継いでいる日本男児としては、最もエロチシズムを感じる一瞬かも知れないな…そんな感慨に耽りながら、真一は満足げに彼女の後姿を眺めていた。

「ご主人様、出来上がりました」
玲子はレンジで解凍したピザを皿に載せて、真一が座っているテーブルに運んできた。
「ごくろうさん。玲子、じゃあ俺の隣の席に座りなさい」
「はい。では、失礼致します」
「これから毎食時の作法を教えるから、しっかりと身に付けるんだぞ。いいか、食事は俺の分だけを少し多めに作れ。そしてお前は今のように俺の隣の席に座り、両脚を開いて椅子に乗せ、片手でオ○ンコ、もう片手でオッパイを刺激しながら、オナニーをし続けること。オナニーくらいしたことあるんだろ?」
「…はい…あります…」
「恥ずかしがることはないだろう。最近だってしてたんだろ?」
「…はい…時々…生理前とかに…」
「ははは。日頃あれだけ仕事してりゃ、男とセックスに耽る時間だって出来やしないもんな。だからここでもいつもと同じようにすればいいんだ。簡単だろ?」
「…はい…」
「お前の食事は、俺が口移しで運んでやろう。それも俺の口で咀嚼したやつを…だ。だから飲み込むだけでいいんだよ。どうだ?奴隷としてこんな豪華な待遇はないだろう。ご主人様の口移し食だぞ」
「…あぁ…そんな、なんて勿体無い…」
玲子は本当に幸せを感じているような眼差しで、真一を見つめていた。真一が送り込んだ念には、ご主人様からの気使いには、心の底から喜びを感じる…という設定が組み込まれているので、これは当然の反応と言えよう。

二人の変態的な食事が始った。
玲子は命じられるがままに、目を閉じて胸と密壷を刺激しながらのオナニーに耽っている。その横でピザをかじっている真一は、2回ほど自分の喉に通した後に、3回目に咀嚼したピザをディープキスのように、玲子の口の中へ送り込んでいく。玲子はオナニーの快感に喘ぎながらも、真一の唾液まみれになった噛み砕かれたピザを、少しずつ自分の喉の奥に落としていく…。そんな繰り返し作業がしばらくの間続いていった。
この光景が、これからの"日常風景”となっていくのである。

変態的な食事を終えた後は、真一の疲れた身体を玲子にマッサージさせ、寝る前にもう一回戦を終えてから玲子の魅力的な乳房に顔を埋めるようにして眠りについた。
二人とも、異常なまでの環境の変化にさすがに疲れたようで、昏々と寝入っていた。

翌朝は、さすがに一流奴隷を目指している玲子である。真一よりも先に起きて、朝食の支度をし始めた。
昨日の言い付け通りに、真一の分だけ少し多めに作る食事である。
真一が起きてくると、これも言い付け通りに彼の横に座り何の迷いもなくオナニーを始め、これでご主人様の食卓の準備が整ったことになる。
「おお、玲子、言われなくてもちゃんと用意が出来ているなんて、さすがに一流奴隷だな」
「あぁ…ご主人様…ありがとうございます…ハァァ…アゥゥ…」
これが今の玲子にとっての最高の褒め言葉なのだ。一流企業の一流社員…これが昨日夕方まで玲子が自分のプライドのトップに掲げていたタイトルであったが、今はそれは演技上の姿でしかなく、彼女が自身のプライドのトップに掲げているタイトルは、まさしく“一流奴隷”なのである。

出勤の時間が近づいてきた。
真一も玲子も、それぞれの身支度で忙しく過ごしているが、玲子の着ているものは、前日と全く同じものである。下着も全て…。真一の許可が出るまでは、これを何日も着続けなくてはならないのだが、玲子自身は、それこそが“奴隷たる姿”と認識しているので、何の抵抗も感じていない。それに、今彼女がこの部屋で持っている衣装は、前述した部屋の中での奴隷の制服と、外で演技を演じるためのこの制服の二種類しかないのだ。

「玲子、支度できたか?」
「はい。ご主人様。いつでも出れます」
「よし、じゃあ分かっているな?玄関を出たら、俺たちは演技を演じなくてはならない。できるか?」
「はい。お任せください。しっかり演じます」
「オッケー。じゃあ、行こうか」
お互いの意識確認をした後、二人揃って玄関を出た…。


「柿崎君、遅いわよ!もっと早く歩きなさい」
「はい、長崎部長、すみません!」
二人の“演技”が始った。玲子もそれなりにしっかりと演じれているようであるが、これまで数年にわたって、“それまで”の玲子の叱咤を直に受けてきた真一は、彼女の声音に微妙な違和感が生じているのをしっかりと感じていた。

会社に到着しても、長崎部長と平社員の柿崎が同伴出勤することに、誰も違和感を感じていなかった。昨日少しばかり危惧していた不安は、これで解消されたようである。“二人の同居生活を周囲の者は当たり前のこととして受け入れる”という念は、その効力をしっかりと発揮していたのだ。
真一の隣の席の横田がヒソヒソ声で、
「おい、柿崎。お前、あのインテリ部長との同居生活なんて、大変そうだなぁ。俺には務まらないぜ」
「あ、あぁ。まぁな。それなりにやっていくしかないよ」
横田の発言は、決して冷やかしなどではない。本気の同情の声なのである。

「柿崎君!」
間髪入れずに、玲子の厳しい呼び出しがかかる。
「昨日の交渉の話はどうなったの?まさか伸展無し…なんて報告はしないでしょうね?」
“いつものように”真一の顔など興味も無い…といった態度で、パソコンを見つめながらの手厳しい報告責めを浴びせてきた。
「あ、はい…長崎部長…実は…」
そう言って、真一は玲子の机に身を乗り出すようにして彼女の方に身を寄せて、
「部長、しっかり演技できているじゃないですか…。ランチの後、小会議室で“ご褒美”あげますよ…」
「あ、はいっ…あっ!……そ、そうね。その言葉、覚えておくわ。下がりなさい」
いささかしどろもどろの態で、顔を赤らめて虚勢を張る玲子の姿がそこにあった。

「(フフフ…しっかりと俺の為に演じてくれよ。俺の可愛い下僕奴隷の玲子さん!)」
真一はその征服感に満ち足りた笑顔で、自分の席に戻っていった。

(妄想商会~バースデープレゼント~<完>)

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妄想商会(3)~バースデープレゼント〈第3話〉~*特殊アイテム

老舗旅館の一人娘で国内外双方の一流大学の学歴を持ち、頭脳明晰、容姿端麗、そして女として成熟しつつある年頃の、火の打ち所がないキャリアウーマンである長崎玲子が、今、真っ裸の真一の股間に顔を押し付け、スーツのタイトスカートがまくれ上がり、魅力的な太ももを露出させているのも構わずに膝まづいている光景に、それを見下ろしている真一は、計り知れない興奮と征服感に満たされていた。

「玲子、もういいだろう。離れてそこに手を付いて、その手に額を付けるように伏せるんだ。それが主人の次の指示を待つ格好だ。覚えなさい。いいね?」
「…はい」
玲子は返事とともにきちんと正座をし、指先を揃えて床につけ、そこに額を押し付けるように深々と頭を垂れていった。
昼間の職場では、この上下関係は全く逆なのである。同じ指示が玲子から出されれば、真一がそれに従わなければならない程の権力差が、この男女間には本来あるはずなのである。それが、魔力の力を借りた真一の邪念効果により、このような大逆転世界を作り出しているのだ。

「では、玲子。そのまま聞くんだぞ。これからの主従生活を送るにあたり、少しずつお前を躾ていかなければならないからな。一つ一つのことに、必ず大きな声でハイッと返事をするんだいいね?」
「はいっ!」
床に深々と伏せたままなので、床に反射させたすこしくぐもった声で大きな返事が返ってきた。
「よし。まず、帰宅したら、玄関先で制服を全て脱いで、そこのハンガーに吊るすこと。お前にとって制服とは、今着ている物全てだ。下着も全て。それら全てを制服と呼ぶ。制服は、俺の指示があるまで同じ物を着用し続けること。いいね?」
「はいっ!」
「ただし、今の季節にストッキングはいらないだろうから捨てなさい。生足のままで十分だ。いいね?」
「はいっ!」
「それから、この家での下僕奴隷としての制服に着替えること。いいね?よく見てごらん」
「はいっ!」
大きく素直な返事の後に、玲子は顔を上げて、差し出された“制服”を見た。

そこには、真っ白のフリルが付いたメイドキャップと、同じく揃いの面積の小さい円形エプロン、真っ赤な飼い犬用の首輪、そして白綿生地に真っ赤な小さいイチゴが散りばめられたロリパンが用意されていた。そのロリパンには細工が施されており、フロント恥骨部分からバックの尾骨あたりまでに縦に切り込みが入れてあり、その両縁がほつれないように、器用に縫製処理までされていた。股割れイチゴパンツである。こんなに大きく切り込みが入っていれば、しゃがみ込んだときなどには、下半身の秘所ほとんどが露出されることになるであろう。

玲子のファッションセンスは、ブランド志向の強い大人の魅力に溢れた、洗練されたものである。
こんな卑猥なメイド風や、ロリ系ファッション志向など、微塵も持ち合わせていないのだが、ご主人様からの絶対命令である。逆らうことは許されないし、今の彼女のマインドの中には、真一に対する“否定”という思考は一切排除されているのだ。極論的に、死を申し付ければ彼女は平然とその行動を取るであろう。それほどまでに強い念が、彼女の全てを支配していた。

「確認が済んだら、ほら、さっさと頭を下げろ。…それから、出勤時は一緒に家を出るが、家の外に出た時点から女上司の演技を開始すること。いいね?」
「はいっ!」
「よろしい。じゃあ、さっそく制服を脱いでもらわなきゃね。その後は本来、こっちの制服に着替えるんだが、今日はこのまま風呂に入るからな」
「はい、かしこまりました…」
返事ともに玲子は身を起こして立ち上がり、スーツの上着に手をかけ脱ぎ始めた。

光沢感のある紺色スーツの上着、薄紫色のブラウスを脱ぐと、豪華な金糸の刺繍が施された黒のブラジャーが現れた。真一は、その一連の姿を生唾を飲み込みながら見つめている。この数年間、妄想の中だけで追い求めてきた憧れの女性の全てが、今目の前で暴露されようとしているのだ。
続いて、タイトスカートに手がかかり、ホックとジッパーを外すと、しなやかな脚線美を誇る両脚から、スルリと抜け落ちた。そのまま薄いベージュのストッキングも脱ぎ終えると、上下揃いの金糸刺繍入り黒色ブラ&ショーツのみの姿になった。

この時点で既に真一の一物は大きくそそり立ち、今にも噴火しそうな勢いであるが、そこはグッと堪え、
「玲子、さすがに美しい身体をしているな。少しご褒美をあげよう。さっきのお前のように、俺がお前の体臭を嗅いでやる。滅多に無いことだ。嬉しいだろ?」
「…あ、はい。勿体無いくらいに嬉しい…です」
玲子は思いもかけぬ言葉をかけられ、やや恥じらい気味に答えた。
「じゃあ、両手を頭の後ろで組んで、両足を大きく開いて立ってごらん。そう…そのまま動かないようにじっとしているんだ。いいね?」
そう言うと、真一はブラ&ショーツのみの玲子の身体に抱きつき、首筋、胸元、脇の下と激しくその芳しい体臭を嗅ぎ始めた。脇の下はさすがに一日の活動を終えてきた後である、男とは違った女特有の汗の匂いとともに、薄らと生え始めてきている腋毛の存在が生々しい。

続いてへそ回りから股間へと、まるで吸盤で吸い付いたヒルのように、真一の鼻が降下していく。ショーツに包まれたフロント部分、そこは大きく脚を広げている為に、数本の陰毛が布地を飛び出し、淫靡なロケーションを形成している。そのフロント部の強いアンモニア臭地帯から、さらに脚の間を潜り抜けるように股間の底辺部へと鼻を進めると、強烈な生臭さからアナル周辺部にかけてのやや香ばしい匂いを放つ地帯へと移行していった。
真一は既に我を忘れたような境地に陥り、
「あぁ、玲子…最高だ…あぁ…最高…」
こんな言葉を連呼しながら、足先の匂いまで嗅ぎまくる始末であった。

真一も30歳を間近に控えて、童貞ではない。これまでも数人の女性とも交際してきたし、金で買った女も数知れない。しかし、そこは分相応というか、これほどの上玉の女と交わった経験などない。
古来より田舎者は上淫を好むと言われるが、真一もその類に漏れず、上流階級の女が常に性の対象として望むべき存在であったが、容姿も才覚も並程度の彼では、そんな機会など訪れるわけも無く、これまでの生活を送ってきた。
それが、今日この時から大逆転を果たしているのだ。我を忘れても当然であろう。

真一は玲子の体臭を一通り嗅ぎ終えて、ギンギンに張り詰めた一物を屹立させたまま、
「よし。ご褒美はこれくらいでいいだろう。玲子、嬉しかったか?」
「はい…ご主人さまにご褒美までいただけて、とても幸せです」
「よしよし。そうやって、俺のために尽くしてくれていれば、また色々なご褒美をあげるからな。じゃあ、早く残りのものも脱いでしまいな」
玲子は、いよいよブラのホックに手をかけた。次の瞬間、ハラリと力なくブラが玲子の身体から剥げ落ち、豊満だが、まだ結婚前の女性の張りを残した二つの乳房が顕わになった。乳輪も薄い茶色で面積もさほど大きくなく、その中央に、玲子の凛とした性格を現すかのように、ツンと張った可愛らしい乳首を持っていた。やはり上級の女の持ち物は違うな…真一はあらためてそう思い、玲子の美乳に魅入っている。

続いてショーツに手がかかり、これもなんの躊躇いもなく足首から抜き取ってしまった。
今や全裸となった玲子の下腹部中央には、上品な繁みが広がっている。面積、毛量も適度であり、多分Vゾーンの手入れもさほど必要ないだろうと思わせる、これまた上品な繁みだった。
「ご主人様、この下着類もハンガーにかけておくのですか?」
「そうだよ。それら全てが“制服”だからね。俺が交換の指示を出すまで、同じ制服だよ。大丈夫だろ?」
「はい…奴隷ですから…毎日の交換が許されないことくらい心得ています…」
何と頭のいい女性なのか…置かれた環境に迷いもせず、速やかにその環境に適応させ、最高の立場に持っていこうとする意識の表れであり、この意識が、これまでの数々の成功を導き出してきていたのだろう。奴隷を自覚すれば、最高の奴隷を目指す…まさに“キャリアウーマン”の鏡である。

入浴の作法やベッドでの作法では、真一はこれまで経験してきたソープ嬢や、ファッションヘルス嬢以上の、自分の為だけにカスタマイズされた奉仕が出来るように仕込むことを企んでいた。そのために、昨日行ったシルクの店の帰りに、先程の奴隷服とともに、フカフカの浴室用マットやその他の小物まで買い求めてきているのだ。
「玲子、風呂に入ったらまずこのマットに膝を付いて、さっきの言葉でここをキレイにさせていただくことの喜びを宣言すること。もちろんキレイにするのはお前の口で…だ。お前も処女じゃないんだから、咥えたことくらいあるだろう。いいな?」
そう言って、マットの上に仁王立ちになり、もはや爆発寸前の一物を指差した。
玲子は言われるがままにマットの上に膝をつき、
「はい…では…これからご主人様のチ○ポを私の口で心を込めてキレイにさせていただきます。ご主人様のチ○ポを私の口で清めさせていただくことは、とても光栄なことであり、心から感謝いたします…」
その出来すぎの答えに、真一は感動すら覚えた。

「では、玲子のお手並拝見といこうか。しっかり頼むぞ」
「はい…(ハム…チュバチュバ…レロレロ…)」
「うぉお、これは最高の舌使いだな…上手だぞ、玲子…」
「(チュバチュバ…)ふぁい…ありがとうございます」
女上司からのフェラ奉仕…そんな甘美な言葉の響きにも後押しされて、興奮と快感が一気に真一の脳髄を駆け巡っている。
「うぅぅ…玲子、もう出そうだ…キレイにしてくれてたご褒美を、一気に放出するから、しっかりと飲み下すんだぞ。いいなっ!」
口中で真一の一物を包み込んだまま玲子がコクリと軽いお辞儀で返事を返した。その刹那…。

ドピュッドピュッドピュッ!

これまでの射精経験でも最高レベルの快感に包まれた大量の精液が、一気に玲子の口内に放出され、玲子はそれを器用な舌使いで一物をしごき続けたまま、愛惜しむかのように、ゆっくりとしかし確実に飲み下していった。

「よしよし…さすがの舌使いだったな。上出来だ。では、次は足元から手に石鹸を付けて洗ってもらうか。
俺がマットの上に仰向けになるから、玲子は俺の方にケツを向けた状態で跨ること。ただし、ご主人様の身体の上に腰を下ろすなんていう、失礼なことはするなよ。必ず腰を浮かせて、しっかりと足元から洗いあげてくること。いいな?」
「はい。かしこまりました」
真一がマットの上に寝転ぶと、玲子は言われるがままにその上に跨ってきた。そして、足元から石鹸の付いた手で、オイルマッサージのように撫で洗いを開始した。

真一は頭の後ろに手を回し、手枕で首の角度を変えた。今、真一の目の前には玲子の恥部が包み隠すものなど何も無い状態で、しかも迫力のあるドアップのロケーションで蠢いている。
薄い毛に覆われた茶色のビラビラの間から見え隠れしているピンク色の密壷、そして周りには一切の毛を持たず、たくさんのシワが菊の文様を形成しながら、時折ヒクヒクと収縮を繰り返すアナルも、全てが真一の面前に曝け出されていた。
「(これがあの玲子のマ○コ…あぁ、いやらしい色艶だな、コイツ…あぁ、この穴からあんな綺麗な顔をしている玲子が、毎日ウ○コを出しているのか…)」
真一は様々な感想、妄想に苛まれながら、下から身体を洗い上げていくと同時に徐々に迫り来る女体の恥部を凝視していた。

玲子の手が真一の下腹部あたりに到達した時、彼女の恥部は真一のアゴ先から顔の上へと到達していた。真一の手が、その両尻タブを掴み、同時に彼の舌が玲子の密壷を一気に舐め上げた。
「ひゃぅっ!」
一瞬、玲子が可愛い叫びを上げた。しかし真一の舌はそのまま執拗に密壷からアナルに至る周囲を、執拗に舐め始めている。
「あぁぁ…はうぅ…ご、ご主人…さまぁ…こ、これでは…あはぁぁうぅ…お、お身体を洗えま…せん…」
「ダメダメ、ちゃんと洗ってくれなきゃ。さぁ、手を休めないで」
「はぁう…は、はいぃ…も、申し訳…ござ…いません…あぁぁ…」
既に玲子の密壷は、中から溢れ出してくる大量の密と、真一の唾液とで、グチョグチョの様相を呈している。

下からこみ上げてくる快感を必死で堪えながら、健気に手を動かしつづける玲子。真一は頃合よしと見て、
「じゃあ、今日からの主従生活を祝って、絆固めをしようか。本来なら、たかが奴隷となんかそんなことはしないが、玲子は最高の奴隷になりそうだからな。さぁ、身体をこっちに向けて、自分で僕のチ○ポを自分の中に迎え入れるんだ。言ってる意味分かるね?」
「は、はい…そんな…私なんかに勿体無い…よろしいのですか?」
「いいから言っているんだよ。早く入れてしまいな」
「わかりました…ありがとうございます…私…とても幸せです…」
玲子は身体の向きを変え、股の下で真一の一物を優しく掴み、自分の密壷へあてがってから、そのまま腰を沈めていった。

「ああっ!はぅうぅっ!」
艶かしい喘ぎと共に、真一と玲子の身体は一つになった。
「あぁ…玲子のオ○ンコは最高だね…思っていた通りだ。さぁ、自分で腰を上下させて、その幸福感を全身で表現してごらん」
「あぁっ…はいっ!…ご主人様…私、嬉しいですぅぅっ!…」
その声と同時に、玲子身体全体が激しく上下し始め、快感に酔いしれる彼女の顔が激しく揺れ動いている。
「(ついにこの女を征服したぞ。今までずいぶんとキツク当たってくれた分、しっかりと奉仕してもらうからな…僕だけの変態奴隷として生きる道を、十分に楽しむんだぞ!)」
そんな征服感に、真一も酔いしれていた。
それから様々な体位で玲子の密壷を突きまくり、遂に…
「あぁ、玲子…もういきそうだ。今日は安全日か?」
「あぅぅっ…あっあっ…は、はぃっ…大丈夫だと思います…どうぞ、いえ…どうか中に…はぁうっ…出してください…」
「(あの玲子が自分から中出しを要求するなんて…)よし!じゃあ、いくぞ!それ!」

ドピュッ!ドピュッ!ドピュッ!

フェラに続いて、立て続けの射精にもかかわらず、その勢い止むところ知らずで、大量の精液が玲子の密壷の中に放たれた。
今や玲子の体内は、胃と膣内に真一の夥しい精液を宿し、汚されまくっていた。しかし、彼女にとってはこれが最高に幸せなのである。
しばらくの間二人は抱き合った後、真一は玲子に身体を洗ってから出てくるように伝え、先に風呂から上がってきた。と同時に、心臓が飛び出さんばかりに驚いた。

なんと、そこにあの妄想商会で出会ったシルクが立っていたのである。

(バースデープレゼント〈第4話〉に続く…。)

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